第415回四天句会
令和6年4月9日
Zoomリモート句会
   
兼題 入学 桜散る ブランコ 辛夷
席題 チューリップ




  利孟  
大辛夷ライスシャワーと鐘の音と  
天皇旗揺るる御料車花吹雪  
式の日の白のスカーフ入学す  
からみ合ふ二人ブランコ押し押され  
雨来れば花をすぼめてチューリップ  

  雨竜  
フラココの揺るるは風を載せるため    
釣堀のうすき魚影や花辛夷  
弔ひやかすむ朝陽に桜散る  
初めての寮での暮らし入学す  
チューリップの色の溢れて能登にかな  

  恵一  
半ズボンの膝にすり傷入学す  
花吹雪五重塔をよこざまに  
林中のぶらんこ人もなく揺れて  
花辛夷首輪もはづすドッグラン  
風に揺るひかりの傘のチューリップ  

  虚承  
入学の同じ顔ぶれ分教場  
カフェラテに粗く碾く豆花辛夷  
ブランコの十回交代姉弟  
異人著したる「菊と刀」や桜散る  
チューリップ畑に写生の水彩画  

  義春  
陸奥の朝の杣道花辛夷  
ブランコの老人唄を口遊び  
チューリップ畑の彼方の風車かな  
親が行く合格発表桜散る  
新入生母の付添ひ拒みをり  

  あやの  
飛花落花画板は膝をはみ出して  
男児女児負けじと勝負半仙戯  
輪郭を暮色に立たせ花辛夷  
入学児ほつぺに帽子のゴムの痕  
ギヤマンにくねりて乱れチューリップ