第430回四天句会
令和7年7月8日 
Zoomリモート句会
     
兼題 雲の峰、浴衣、メロン
席題 桔梗


  利孟  
木毛の香と甘き香の箱メロン  
梅雨明けや大峰聖の啜る粥  
峰雲の鞍部よりブルーインパルス  
貸し浴衣下駄特大の異邦人  
八方に花向け自惚れ桔梗かな  

  義春  
直売所メロンざくりと二ツ切  
黒人の浴衣似合ふ子浅草寺  
跳ね上げしオールの先や雲の峰  
木下闇伊達家の墓碑の文字薄れ  
雨上り丘に一輪桔梗かな  

  虚承  
歌麿の首絵散らしの浴衣かな  
山の湯の湯気の先なる雲の峰  
大壺を満たして庭の青芒  
熟す日を妻が見定めメロン買ふ  
通り雨あがり桔梗の花開く  

  恵一  
新しき墓碑に紫紺の桔梗かな  
家族みな揃ひし夕餉メロン切る  
浴衣の娘舗道に軽き下駄の音  
顔つけて機窓よりみる雲の峰  
色変はりの揃ひの浴衣サンモール  

  雨竜  
峰雲や大放水の黒部ダム  
浴衣の娘並ぶ屋台の白熱球  
ミス・メロンの出迎へ高原列車着く  
梅雨晴間道問ふ人の顔の汗  
草原の蒼の際立つ桔梗かな