第431回四天句会
令和7年8月19日
 Zoomリモート句会
   
兼題 白露 夜の秋 萩
席題 盆に纏わるあれこれ




  利孟  
蔓引けば枝道連れに藪からし  
枝垂れたる先は地を這ひ繁り萩  
燈籠の灯に足す油夜の秋  
霊送る花火苧殻の火を合はせ  
白露かな藪分け探す茗荷の子  

  虚承  
半切に五文字一行夜の秋  
迎へ火に茄子の尻尾の焦がされて  
油撥ね避けて焼く茄子一人酒  
跡を継ぐもの無き寺や萩の花  
白露に撓ひて萩の地に垂るる  

  あやの  
金髪娘の隈無きタトゥー街炎暑  
夜の秋友の勧める本を買ひ  
増えすぎた葉蘭や父母の庭白露  
実篤邸につながる隧道乱れ萩  
今様の振りの少年踊りの輪  

  恵一  
進むたびゆるる印籠阿波踊り  
学生寮の崩れた塀や萩の花  
愚陀仏庵訪ふ子規や柿熟るる  
能登の松に吹ける潮風白露かな  
シャドーイングに疲れ珈琲夜の秋  

  義春  
呉服屋の女将櫓で踊るなり  
激動に生きて斉昭萩の花  
髪濡れたまま出る銭湯夜の秋  
誂へのシャツに名を入れ白露の日  
鬼灯市袋の赤さ見比べて  

  雨竜  
稲穂垂る風の強さに抗ひて  
萩茂る岸に小波打ち寄せて  
シューレースゆるめに結び白露かな  
夜の秋新内流しの遠くより  
青かすみ色の揺らめく盆提灯