第432回四天句会
令和7年9月9日 Zoom句会
兼題 豊の秋 夕月夜 秋澄む
缶蹴りの缶の置き去り夕月夜
木道の白く乾きて秋澄めり
奥能登の塩で握りて今年米
夜の秋腰に一枚バスタオル
保管庫の冷気全開豊の秋
あやの
多国籍街の人出や寝待月
福分けに返すふくわけ豊の秋
月蝕に鎮もる草木秋澄めり
のつぺらぼうのクラフト袋今年米
バレエ見た後の街騒夕月夜
義春
豊作や村の太鼓の試し打ち
富士を越えジェット西へと秋澄めり
糸瓜垂るあだ名horseといふ教師
光る海の向かふは佐渡よ夕月夜
新米を炊き上げ素手の塩むすび
秋澄むや遠く踏切警報音
夕月夜フェリーに寄する白き波
ナイターや跳び上がり捕る大飛球
トラックに一家総出の今年米
騒がしく群れをる雀豊の秋
虚承
秋澄むや束子で洗ふ芭蕉句碑
新米を量り売りする列につき
十六夜や術後の母の細き腕
豊の秋祖父の十八番の「夢一夜」
夕月夜やがて外灯だけの闇
雨竜
夕月夜通夜の帰りの道広し
秋澄むや彌陀の剣に夢断たれ
残暑かな長崎の鐘焼けただれ
新米を担ぎ社の磴登る
豊の秋野辺の地蔵は笑み浮かべ