すぎ68回

    
第68回 平成14年2月17日

すぎなみき、やしほの面々
大塚・三澤     
大貫・石塚・片山
利孟・比呂・一構

すぎなみきの会員は休日出勤の人が多いサービス業ですので
どうしても欠席投句が多くなります
ちなみに、2月17日の全投句数は88句でした



良人
凍返る県庁堀に朝日満つ
深き軒灯し金縷梅明りかな

比呂
金縷梅や重なる絵馬の願競ふ
仏心をあまねく散らしお松明
男体山の薙の雪浮く茜空

ともこ
まんさくや空の拡がる道の駅
姿見の背筋の伸びて二月かな

昭雄
葱を抜くかをりむんずと握り込み
木漏れ日を引寄せてくる初音かな


喪の客の逃れ処無く春みぞれ
斎場の客ひとしきり春の暮れ


教習の枯葉で埋る走路かな
白菜の筋食ひ残し小鳥立つ
卒業の子の見せに来る免許証

清子
水郷に越劇の銅鑼春隣り
客待ちの娘船頭毛糸編む
技冴えて寒夜を沸かす雑伎団

清二
拝観の足跡消して春の雪
金縷梅の埃のごとき黄のにじむ

ミヨ
貸家札の文字の薄れて枇杷の花
金縷梅のもつれもつれて花咲ふ
冬の樹の肌の猿面鬼面かな

登美子
花金縷梅遠峰うすくあおみけり
金縷梅の花ちりちりと空暮れる
まんさくや速達届け郵便夫
まんさくや三竿くまなき洗物

栄機
俳人の集ひて春を数へけり
大皿に芹の天ぷら吟醸酒
お水取仏火を担ふ力瘤

敬子
水取や紙衣一食堂籠り
立春や鬼三匹に酒供へ

信子
朝刊の箱をはみ出し春浅し
列島の晴るる天気図お水取
絵硝子を火灯す茶房春浅し
金縷梅の花山畑の動き出す

郁子
白梅や庭の木椅子を置きかへて
マグカップのミルクの白さ冴返る
室独活の解脱とげたるごとき白

利孟
風跡の細き埃や目貼り剥ぐ
風花や車夫の拡げる赤ゲット