宗匠の一言
百年の梁黒々と屋根を葺く
屋根を替えて、でしたがそうすると、既に替え終わったことになって見えないでしょう。百年の梁黒々とは、俳句素材としてはよくありますからこれで味をしめないように

乳色の墨絵の余白花の冷え
 俳句は感動を詠う、すなわち、きれいだ、美しいであるが、そう詠んでは誰が作っても同じ句になる、その感動のよってきたるところ、余白のどこに美しさを感じたのかを掘り下げてみる

春暁や新聞受けに音入りて
コツンと新聞入りけり」という元句、ひねりすぎでしょうか

三方に反らせて御餞の桜鯛
反り身を祀る」でしたが、反り身の鯛とならなければ言葉としてはおかしい、反らせてなら桜鯛にかかるでしょう

竹籠に跳ね土壇場の桜鯛
出番待つ、でしたが、演芸場ではないわけでこれから捌かれる鯛としてはこういうことではないでしょうか

岩肌に絡む走り根花の雲
走り根露して、でしたが走り根は土から現れている状態をいうので余分、走り根は大体こんなものですからちょっと月並みながら、岩肌の走り根と花の雲というちょっと視線が動いて景が大きくなるのがよい


============ 宗匠の一言これで終り ==