1月のもう一言

振袖の福引く顔の幼かり  
和服の娘より振袖のといえば、もう華やいだ娘盛りが見えるでしょう

ストーブの火を確かめて鍵当番  
触れてというのは、危険すぎるでしょう、分かるけど

手品師の仕掛けを落とし初笑ひ  
ねたを落としたり、ネタなどというのは俗が過ぎます

笠雲を照らし筑波嶺初茜  
筑波嶺凛といえば、そこからの広がりはない

墨付けの墨迸り太子祭  
手斧初めでも墨壺の墨はそんなに迸らないでしょ

牡蠣売りの売りの舌訛む声や風の岬  
塩屋岬でも良いけど、より雰囲気が上がりませんか

福引の空籤に賜ぶ延寿箸  
五等真白な、では袋にも入っていない箸だな

若水を汲む裏山の祠神  
汲みとすると切れが強くなるが、汲むとすると水神さまかなにかにすんなりつながる

若水や釣瓶に汲みし今年かな  
汲みし昔かなとすると、若水を昔は釣瓶で汲んだものだという昔話でしかないので、眼前を読んだものとはならないし、それだけのことであるが、これなら随分と詩情豊かでしょう

若水を汲むや鶏鳴起こりけり  
音鳥の目覚め呼ぶって、鶏を起こしに行ったみたいだ

ボロ市や寅さん真似て啖呵売  
売り台詞というのは変、的屋などの売り口上をかく申します