5月のもう一言

比呂
映りたる空に植ゑ込む早苗かな
田一枚植ゑ顔の泥拭ふかな
五月場所髷なきが負ふ開荷かな
田植唄神を称へて風に乗る
水羊羹さて難題は置いといて
永子
舳先上げ帰る釣り船夏めきぬ
きっと釣果が良かったんだろうね
声高に集ふ農夫の堀り浚へ
朝焼けを背負ひ大樹の影絵めく
髷を結ふ髪の伸びずに五月場所
唇に残りししめり水羊羹
水羊羹食べて唇が濡れたというのは面白くない解釈かも
ともこ
竹に入りほのと竹の香水羊羹
竹に入りが余分と思うんだが
初夏の風櫓太鼓の音運ぶ
賑はひは駅よりつづき五月場所
大小の膝のすり傷苜蓿
大小の膝?
緑さす沓脱ぎ石に日和下駄
良人
銀色の機影がうかぶ五月空
触れ太鼓み空貫らぬく五月場所
鬢付けの香りの気配五月場所
水羊羹有りと老舗に手書きの文字
日の残る打ち出し太鼓の五月場所
昭雄
夏場所や行事の鞐金踊る
コハゼが見えるわけ無い
久闊を叙すも一息水羊羹
夏場所やきりりと結ぶ名古屋帯
ちと評価が甘かったか
端正な写経の文字や水羊羹
水羊羹黒文字太き喫茶店
黒文字太き喫茶店?
登美子
かくし持つ秘密が漏れそう青嵐
夏場所や白星発進館沸かす
水羊羹各駅停車の旅終る
夏場所や相撲さし絵の肌白く
網棚の荷の中重し水羊羹
敬子
夏場所やもんどり打てる砂かぶり
すなかぶりがモンドリウツ?、ちゃんとした日本語である必要がありますよ
名園に旅の語らひ水羊羹
薩摩半島フェニックスに鯉幟
糠床の程よき機嫌麦の秋
森の精に聴かすオルガン聖五月
森のチャペルの結婚式ですか
幸子
五月場所客も踏んばる土俵際
ややこしき話ここまで水羊羹
経唱へつつ筍を剥く御坊
青空を見上ぐ一息田植かな
振る舞ひの新茶を飲みて待つ列車
水羊羹乳児好みの甘さあり
強風や穂波打たせて麦の秋
夏場所や外人力士また強し
それはスポーツ欄の記事です
水田や山麓までも早苗立つ
燕の子大口開けて餌を強請る
一構
豆飯や煮物上手の母の忌に
鬢付け油匂ふ駅頭五月場所
遠雷やぴくんと動く犬の耳
ヘンデルを聴くひとときや水羊羹
ヘンデルと水羊羹が響くか?
取的や肩に明荷の五月場所
利孟
名物に美味いものあり水羊羹
鬼平の水羊羹がすきでね
両国の煉瓦の駅舎五月場所
花苗を選るや蕾を数へては
鎮守への小径をふさぎ蜂の箱
動輪と子の丈くらべ風薫る