6月のもう一言

永子
祭髪仕上げにねぢる豆絞り
ありたけの風を集めて土用干
湯ぼてりを宥めて纏ふ宿浴衣
卯波寄す小島に残る岩屋跡
寝袋の中で声聞く閑古鳥
状況からして聞こえてるのは分かります、もう起きちゃ如何?と・・
昭雄
郭公の声透きとほる夜明け前
日光路湖万緑を呑みきれず
開け放つ二階の窓の遠郭公
写生子のみな青葉色若葉色
サーフボードの影持ち歩く卯波かな
卯波が持ち歩くんですか?
敬子
流行に今更乗れず更衣
雨雲の沖より晴れて閑古鳥
日替りの鳴子百合かな六地蔵
参道に卯波の飛沫鵜戸神社
あの当時偲び知覧の新茶飲む
あの当時?自分勝手でわからない
ともこ
柳絮とぶ渡し場までの板の道
卯浪晴れ月の砂漠の地を目指す
月の砂漠は九十九里海岸、そこへドライブするというのは?
縁に置く鉢のひとつの風知草
郭公や水を飲む子の息づかひ
花柘榴雲の切れ間の青き空
比呂
郭公や木立の隠す馬柵の果
客船の灯のあまたなり卯波立つ
風白し朴の大樹は花隠す
白し?季節感が秋か?
鮎一尾喉の仏に奉る
喉仏という仏様ね
宮を出て神輿三基の胴震ひ
胴震いはいかがか、神輿をシンヨと読んでも?
一構
夕焼や焦げきはまりて越の国
焦げってイメージをもたせるなら、その様がないと
はすかひに朽ち舟舫やふ皐月波
暁闇や忽に高音の閑古鳥
園児みな園庭に居て五月晴
老人の会話ちぐはぐ梅雨に入る
あめんぼや水面去るもの至るもの
うまくできた
あるときはつまづき鳴くや閑古鳥
あるとき?いけません、郭公は、基本的に声ですから鳴くはいらないんです
ぼうふらや淀の中にフラダンス
可愛くてよろしいでしょう
河口より出づる漁舟に卯波立つ
雨蛭や驚くほどの伸び縮み
美代
水晶の数珠のつまぐる夏ねぶつ
数珠が人をつまぐるか?
卯波立つ五浦の崖の六角堂
つと止り郭公聞きゐる寺の縁
つと、ふと、ちょっと、云わないのが俳句です、
切妻の影のたがふや夕薄暑
睡蓮閉づたそがれさそふ水音かな
良人
北前の風待ち湊の卯波寄す
象潟の礁の上に卯波立つ
上にはいけません、余分です
郭公の声四方に流る赤麻沼
破調は嫌いではないが、まあ基本を押さえることがあっての話
紫陽花の七変化助く雨模様
雨で色が変わったというのだろうが、七変化もアジサイのこと
里坊に郭公の声飛び来たる
郭公の声が「飛び来たる」?
幸子
郭公の声の混じれる読経かな
わけもなく跳ねて滑るや水馬
「や」がいらないね、というよりあってはいけない
靴脱いで走る砂浜卯月波
青春映画ね
初夏の野菜づくしの夕餉かな
網戸ごし動かぬ雲の逞しき
聖子
郭公の遠近森を響かせて
夏木立ひかりが澄みて水鏡
老木に思わぬ若葉茂りおり
紫陽花や昨夜の雨後色かへる
くれなゐのばらに触れゐて恥らへり
なぜ?分かりません
清二
山静か声が飛び交う蛍狩り
閑古鳥一声聞いて目はそこに
目はそこにって、云ってみてもしょうがないこと
子が遊ぶ手頃の波や卯浪かな
や、かなね
紫陽花に見抜かれている心内
紫陽花の心を知らず通りすぎ
芳子
高速船の玻璃より高き卯月波
せせらぎの光に躍るよぶこ鳥
光に躍るようにみえた、聞こえたというのは飛躍が有りすぎる
ほととぎす那須岳分ける曇草
曇草=松、うーん
磨かれし舞台に足音白襲
お能のようですが・・
麦秋のひかりの風の迅さかな
ひかりの風?
憲巳
一人旅駅を写真にほととぎす
写真とっても俳句になるかね
ふるさとは思い出千里ほととぎす
どこに古里がさるんだろう、満州か?
郭公なく那須塩原に人を待つ
ご当地ソングね
酪農の匂ひに酔ひてほととぎす
酪農は匂わないでしょう、牛舎なりが匂うんです
利孟
炎天の石段の角鋭くて
卯波寄すしまなみ街道鉄の道
青嵐寄すに抗ひ音花火
くわくこうの鳴けば揺すりてランドセル
気まぐれの風噴水の頭を刎ねる