5月のもう一言

永子
番傘に宿の一と文字走り梅雨
宵宮の林切れ切れ届きけり
子を加へ音色若やぐ祭笛
手植して終はる棚田の五月かな
花うつぎ散りゆく杣の切通し
杣の切り通しってわかるような分かんないような
美代子
パレットにみどりいろいろ五月風
窯焼きのパンのパリパリ夏兆す
吹き曲がる牧柵谷へ花うつぎ
吹き曲がる?
畑ベリの菜種からぶや空はねて
預けられ夕焼けに零す黙の牛
なんじゃ?沈黙をコボスのか、預けられたからって牛が感傷的になるか?
比呂
セールボード反り身に五月の風に入る
鈍色の風立ち騒ぐはしり梅雨
反抗期切れても動く蜥蜴の尾
卯の花や茶飲み仲間は結ひ仲間
一遍の小黒き御像ふじの花
一遍上人ね
信子
卯の花や厨子の開かる阿弥陀堂
神領の風や五月の眠り猫
神域だろうが、二荒山となると神領もありだね
卯の花や大学隅の開拓碑
事実だとしても文教街ではおもしろくもなんともない、連隊跡とか上手な嘘をつきましょう
風五月イーゼル立たす草の上
跳箱を飛ぶ子飛べぬ子五月晴
ともこ
母の日や針山にある糸ぼこり
田と畑を隔てし水路花うつぎ
更衣上着ふはりと裏返し
上着を着るときか?裏返らないね
桐の花背高のつぽの電話塔
塔というのはそういうものです
牧草ロール転がる那須野五月かな
敬子
郭公の声の割り込む朝稽古
花空木井戸のポンプは昭和製
母の日の古希てふ人の弾くソナタ
古希70歳、別にピアノ弾いても不思議でもなんでもない、ただごとです
柿若葉祖父の遺愛の青磁壺
鳩笛の時報の音色五月晴
鳩時計のことだろうが、なんか構文がおかしいぞ
昭雄
花うつぎ足湯の膝の眩しくて
菖蒲湯や抱きし赤子の大あくび
この里を青山として種下ろす
なにか、カッコつけてみせてるけど、ま、努力賞ね
花うつぎ咲いて小さな芭蕉句碑
咲くは、サキテ>サイテで、ハ行には活用しません
干し物も雲も真つ白聖五月
コマーシャル
良人
小雨降る畷の辻に咲く空木
谷間の秘湯をかくし花うつ木
瀬音閉じこめて空木の谷覆ふ
風渡る他の面に映る花うつぎ
卯の花や煙ほのかな茶臼岳
登美子
たよりなき裏口の鍵柿若葉
母の日や母の残せし下駄の土
なんかちょっと、抜かりがあるね
振り返るお濠の土手の若葉かな
花空木傘忘れしを今気づく
そうですか、痴呆の始まりですか?
植田腹蛇行の川に区切られて
小川
食細る妻にと求め初鰹
朝靄の川面に鮎の群踊る
うたたねや眠気を誘ふ花うつぎ
うたたねしたらもう眠気の段階を過ぎてます
爺々見て指さす空に鯉泳ぐ
鯉は水の中を泳ぎます、孫俳句が思考まで幼児化させている
孫掘った初筍を我食す
因業ジジイが孫のものを横取りしたってことになりますが
麦秋の畑を進むコンバイン
百年の藁屋の庭に鯉幟
百年の農家と、藁屋どっちが具体的な絵が浮かびますか?
山肌を新芽が包む五月かな
まことにそのとおりですが
卯の花の香り漂ふ田舎道
卯の花が匂ってました、匂いがありますからね、如何に?が発見です
連休や園児燥いで苺狩り
はしゃぐでは不十分
一構
退院の静かな朝夏めけり
夕飯に妻の届けし豆の飯
当直の夕飯か何か?特殊だね
看護師の談笑の刻新茶の香
校庭の声ふつと消え桜かな
やはらかに腹裂くメスや春の暮
手術ね、なにかオカルトか、雄雌のメスかと、
塩田
釜川や鯉が恋する水しぶき
釜川ね、宇都宮市民でも知らない人は多いよ
卯の花や家族団欒箸すすむ
時鳥山躑躅見を出迎へる
季重り、山躑躅見?日本語になってない
五月雨や葉のみずみずしく滴りぬ
車窓には麦の黄金と田の緑
デンシャマド、デンシャソウ、そんな勝手な造語しないで下さい
利孟
てんと虫薄羽仕舞はぬまま歩む
花空木角つけて熨す手打ち蕎麦
的中の矢の震へ立つ五月かな
白玉や水槽に引く山の水
あれやこれ迷う注文鳥交る