9月のもう一言


昭雄  
芒原隠るることの楽しき子  
ふるさとへふるさとへ汽車芒原  
つくばひの水に影おく良夜かな ・
聞香の炉のまはり来る良夜かな ・
熟睡児の指ほどけゆく良夜かな ★
うまかったね
良人  
吹く風を畷の区切り花すすき ◎
吹く風に畷を挟むでは景が見えない
落合える風先見せて花すすき ・
たえまなき瀬音にゆらぐ尾花かな ◎
風の間もとして、風にも瀬音にもというのはごちゃごちゃ
終電のレールに影置く後の月  
撓ひてもすぐに天向く尾花かな ・
ミヨ  
すすき野の風つよかりし光波かな  
秋蝉や日矢の昃りの貯木場 ・
秋ゼミの居場所が?
獅子舞をささらで囃し月の下 ・
ささら音などという言い方があるのか?
那須の野を疎水つきぬけ豊の秋 ◎
那須疎水郷つきぬけるでは、郷が余分でしょう
秋の縁両手を添へて抹茶かな  
なぞえるなどと言い替えても、抹茶飲んでるだけですね
幸子  
峠茶屋過ぎて芒の風香る ・
茶屋は越えられないでしょうね
穂芒に触るる赤子の肌のやう  
葛の花零れ石段ほの赤し  
日記書くちびた鉛筆夜長かな ◎
主婦俳句だねー
野の花を活けし大壷良夜かな ・
いかにもというだけ
信子  
杉並木出でしばらくの芒原 ◎
しばらくはとの違いを感じて
名月や搭乗知らす子のメール  
節少し崩してよりの祭唄  
逆光に撮る落日の芒原  
飯を炊く湯気立ち昇る良夜かな ・
炊飯のというのは、実は炊飯器のといいたかったのだろうが
登美子  
砂利道に松のかげ生む良夜かな ・
蜘蛛は囲を繕ひやめて良夜かな ・
うまい取り合わせだ
秋麗はづして光る耳飾  
眼のかぎり車窓の芒つづきけり ・
まだ続くと眼の限りはちと矛盾
首ながき夢二の女夜の秋 ・
夢二は夜だわね
比呂  
四方の風野辺の芒のたふれぐせ ・
月光を貪りつくし千石原  
毒茸色を尽くして育ちけり ・
育つかなという過程は?
魚一尾烟るほど焼く十三夜 ・
良夜なる寺の庇の深き反り  
寺庇というような寸足らずは
永子  
沖をゆく灯りに汽笛良夜かな ・
すすき揺れ地蔵のつむり見え隠れ ・
女坂越えて萩咲く神の杜 ・
日毎降る秋雨伝ふ鎖樋  
尺ハの復習洩れ来る十三夜  
なぜおさらいと?
一構  
芒原かつて棚田でありし垣 ・
指開き爪に絵を描く良夜かな ・
ネールアート指を開きてでは具体的に見えないでしょう
擦り立ての酢味噌が美味し裂膾 ・
さっと裂く・・裂き膾では言葉が重なるし、さっと裂く酢味噌となるのが難
ホッピング鳥の消える芒かな  
芒原ただ居る犬に足竦む  
それはそうなんだが
ともこ  
向きかへて風遣り過ごす花芒  
煎餅の袋にチャック長き夜  
語り部の黙し細音の虫の声 ・
語り部の「間合い」より、
風入れる窓の朝顔後ろ向き  
雑穀米入りの大盛り良夜かな ・
ちょっと消化不良
敬子  
花芒入日に染まる古戦場  
足裏に団栗当たる露天風呂  
虫喰ひの母の日記や震災忌  
彼方此方の訛良夜の湯治宿 ・
温泉の湯気も巻き添へ山の霧 ・
芳子  
母許は姉の妙薬衣被  
銀翼の影のやはらぎ鉦叩  
背丈越す棹を僥はせ毛虫焼く ・
径までも蔽ひ丈なす乱れ草  
参道の四手の白さの良夜かな ・
幣っていうのもありだが、神主さんの御幣みたいでもあるので
憲  
幸薄き妻の人生枯れ芒  
我の世の幸福薄き枯れ芒???
良夜とは雲に塗られて悪夜なり  
野の兎夜空に追ひし良夜かな  
いつも無き縁側飾る良夜かな  
まぶしさや朝日に映える野の芒  
鴻  
満天の輝き飾る秋の星  
迷ひ出た子犬ずぶ濡れ露時雨  
田舎道おいでおいでの叢薄  
庭木立畳に映す良夜かな ・
白団子芋名月に供へけり  
赤団子、黒団子などが常識なら白団子もありですが
喜一  
窓の月掛字の裾を照らしけり  
手折りては子に渡したる芒かな  
母の手の団子懐かし月祀る  
手折られてまた手折らるる薄かな  
読みさしの本の積まるる良夜かな ・
夜長かなでは予定調和
利孟  
南洲忌薄が風を運び来て  
沢庵の墓石重たき九月かな  
重たげに鳴いて息つぎ秋の蝉  
籤を引くかに選る塔婆秋彼岸  
吾が影と脚を絡めて良夜かな  
森宗匠今日の一言
*頭で考えるのも良いが眼前のものを
見て作る方が俳句になる
見ている光景をよむことです
*作ったら言葉の整理をしてみて
下さい
*下六は落ち着かない