7月のもう一言

比呂
とうすみや絹擦れで泣く能役者
妹のみやげ嬰児帰省かな
赤ん坊が土産とはいうもののこれでは駄目でしょう
山百合の香の麓まで随いてきし
框踏めば生家の匂ひ軒忍
滴りやことさら濡るる石仏
道祖神みたいなものに聞こえるよね
昭雄
修験者の声滴りの堂に満つ
梅雨晴れ間矮鶏朗々と鬨の声
帰省子の凭れし柱夢の痕
夢のあとが見えてこない
崩るるは人にもありて白牡丹
なんだねこの擬人化は、×
滴りや山小屋に鍵響かせて
鍵響くってわかんないでしょう
敬子
虫取りか欠伸か蝦墓が口開く
洞窟に十三仏や滴れる
リハビリ待つ窓辺に番揚羽蝶
河鹿笛蕎麦の名所は隠れ里
小夜曲を聴く楽しみの帰省かな
楽しみなんていっては俳句はいらない
白鷺や遠き青田に吸ひ込まれ
帰省子はいつも突然勝手口
いつもという時間の経過はただ事になります
振り返り振り返り見る木僅垣
滴りの洞にあちこち光り苔
枝詰めの庭の樫の木夏嵐
信子
帰省して一番風呂の広さかな
万緑へ呟く覚え立ての単語
梅雨明けの影濃く連らね杉古道
杉木立はあっても杉古道は駄目でしょ
梅雨明けや東京のビル空に群れ
摩天楼>スカイスクレーパーってことか
先頭の休憩合図滴りに
登美子
風の道祭りの幣のよじれけり
帰省子の足裏テレビの色おどる
帰省子に広き肩巾祖父似かな
滴りの岩場ひとすじ濡れつづく
祭髪紅い手鏡しのばせて
自分のことならそれもありだが違うでしょう
良人
流灯を放てば闇に光り行く
そうでしょうね
峡谷に巌滴りて風動く
滴りを浴びて山草踊り居り
本道の一筋残し黄菅原
家々に白き花咲く帰省かな
夕顔とかですかね、ちと?
ともこ
部屋干しのタオル空色梅雨ごもり
拭ひても眼がねの曇り梅雨深し
滴りの風に吹かれてちりぢりに
背景にいつも山並み帰省かな
泥の跳ね葉裏に乾き青鬼灯
ミヨ
鎮れる一山削り梅雨出水
すご過ぎます
銅山のともし火まだら河鹿笛
飲食の細き母居て帰省かな
元句は食遅いだったようだが
蓮閉ぢぬ日輪空へ置き去りに
まだ昼日中に蓮がとじたということか?
石垣に込めし梵字や滴れり
清子
昼過ぎのシャワーしきりに帰省の子
中猫となりて守宮を落しけり
なに中猫ってのは?
雲海の間に間に蝦夷地竜飛崎
雲海は無いでしょう
幼き日蘇らせる麦藁帽
滴りの撫林道に杖の音
渋滞やふるさと遠き帰省かな
かつ歩する水の滴る浴衣の娘
水をかぶって大またで歩いているという感じ、おかしい
炎天下汗の滴る球児かな
炎天・汗季重なり
墓参り家系をめくる帰省かな
墓参りでは家系は分かりずらかろう
山中や滴る水に我忘れ