1月のもう一言

暖炉燃ゆ壁に大きなジョンレノン
ガラス戸に唐草模様の氷り張り
・ ガラス戸を分厚い氷が覆っているようで違うでしょう
寒夕焼詩を諳んじつ踏むペダル
・ ちょっとどんな詩か想像できないけど
口しぼるひょっとこ愛し鳥の市
鶏市ではないでしょう、季語ですから
薄氷を素手で割りおる童かな
童であることが感動だというのは安直
マスターズ出場夢に鏡抜き
粗莚展げて松を解きにけり
しんしんと寒さ襲来深夜かな
甲高き鏡開の子の気合
武道の道場辺りが念頭にあるのだろうが、読めない
ひと区切り鏡開の新鮮さ
思いが先走りすぎ、思いを言わずに景を詠んで、読ませる
裏庭の薄氷踏み入る人もなく
冬の日や機影をかくす雲早し
商人で徹す父母鏡餅
・ テッスでなく、トオスと読ませるのね
薄氷遠くの空は遠く映し
ずいぶんと思いきった句だが、そうなのかね
出湯の宿鏡開きに汁粉膳
薄氷の流れるまでの誓ひかな
氷が解けて春になったら、そのころには・・という近いらしいのだが
日脚伸ぶ学生服の案内状
学生服の内覧会のDMといったところらしいがあ、
赫灼と傘寿の剣士鏡割
うすらひに丸く影置く雑木山
やりすごす大晦の看取りかな
意味不明、なんとか大晦日も無事であったということなら別の表現が
俎板始のの字繰り出す鳴門巻
・ 繰り出す?
薄氷踏みたくて路地曲がりけり
こういうのを佳しとする句会もあるけど、パス
駐在所の棚に微笑む七福神
面白くてつい採ってみたが季語がない、ダメ
不揃ひの椀寄せ鏡開きかな
かわたれや木槌で開く鏡餅
鏡開く日の一天の晴れ渡り
・ まあ、めでたい
鏡開き冷気和らぐ榊の葉
薄氷割れば水の香大地の香
・ 臭いね
薄ら氷の流れの先や筑波山
絆増す鏡開きの家族かな
目に見える現象を詠むことで、家族の絆を感じさせねば
薄氷や影より淡き魚の群れ
○ 影が見えて魚に気がつく、あるかも知れんね、
冬空のどこまで藍く誕生日
・ 誕生日って、結局過去につながるわけで
年棚や薄紙剥がし瀬戸の虎
薄氷を二度と踏むまい危険かな
標語だね
冬の鳥三日通ひてん実をさらふ
そうなんだろうけど、それは状況報告です
鏡開賜る黴ももろともに
賜るってどこの鏡開きかな?
杉木立風鳴って居り薄氷に
笊の銭洗へば消えて薄氷
桶水に音して開く鏡餅
水に入れるとひび割れるような音が・・するか?
薄氷白し野川の分かれ道
碧眼の豆三四郎鏡割り
・ 子供の可愛さ、愛らしさがちらついてもそれは詩としての俳句たりえない
冬うらら人向き向きに露天風呂
薄氷や谷戸の小穴の微笑仏
薄氷を母へと赤き手の小さき
こういうの、まったく評価しないんです、利孟は
宝尽しの帯に隠して貼る懐炉
おでん鍋毀誉褒貶も聞き流す
・ 鍋物みたいなおでんではなく、おでん屋の光景でしょうね
息白し白し自転車あと五分
・ 切羽詰まった雰囲気はある、佳しとしよう
筑波嶺に百光眩し大旦
薄氷や流れに任せ寄り離れ
うすらひに風紋残る谷地田かな
父の座に父がどかんと鏡餅
餌台の雀飛び立ち鏡餅
鏡割る道場禰宜も僧もゐて
絵ガラスの窓ある銀行蔵開き
小さきも大を離れず薄氷
われ生きる薄氷踏みの続きたり
年忘れ僧侶の歌う椿姫
どんど日におぼる墓石の真闇かな
薄氷や山の機嫌を見て過ごす
新彫の波のはみ出す年賀状
半世紀の友の集ひや女正月
七本に七つの形松手入れ
紙入の札をまさぐり懐手
埋火を圧す十文字に灰ならし
薄氷や蝶のむくろのかけら見ゆ
前回ムクロの評判が良かったにせよ、だめ
深刻な話か薄氷はさみ佇つ
まねしたい薄氷渡る池の鳥
買初めの白球冴えて始球式
鏡開く人美しき袂かな
薄氷に光を閉ざす雑木山