7月のもう一言

於した
オートバイ部隊の地鳴り大暑かな
ハーレーの集団だろうね、ご苦労なこったとは思うが楽しいのでしょう
七夕や星に懺悔をすることも
そうかい」ということです
七夕に仕事下さいとあるご時世
面白いけど、それだけのものです
ソフトクリームまねて食べたくなつてをり
人の食べてるように、食べてみたくなった?ローマの休日であったような
猛暑なり参加者だけの夏祭り
参加者しかいないのは当たり前、見物だって参加者です
聖子
短冊の糸の長短星祭
何も言わないのがイイね
うなぎ屋の匂う煙や夏祭り
まあ、うなぎと、夏祭りの季がさなりでね
鶯嬢の録音擬き大暑かな
録音モドキとは何のことかしばらく考えました
挨拶を傘に委ねて梅雨の朝
最近江戸仕草などといって、傘かしげなんていうけど、言われなくてもあたりまえ
七夕や山が教える星の位置
二つ目の山の右肩のあたりの星」とか教えるんでしょう
比呂
簀の鮎の見えて弾みぬわたり板
簗場でしょうね
流鏑馬を復讐へる木馬大暑かな
栗の花漂ふ尼寺の深庇
栗の花の匂いと、アマデラの取り合わせはビミョウ
太脛の溶岩踏んでゆく山開き
願ひの糸の絡み合ひをり戻らざり
思いが重いね
清子
短冊に書けねど願ふ星祭
川島さんの句となるとちょっと願いが重いような気もするが
声高にキムチ漬け売る梅雨湿り
キムチ漬ってのはちょっと紙の新聞紙だが
ペンキ屋の目張り念入り大暑中
そうなんだ、暑くても手抜きはしないね
退院の我に馴染みし籠枕
我には不要
蛇の衣や物音ひとつしない家
ジャノキヌヤとするだけの必然がない
信子
大暑なり紅さす唇に息洩らし
お出かけか、なにかちょっと気を張る話でしょう
丹田に気合納める大暑かな
ズルズルなほうが面白いでしょ、俳人ってそうまともな人種じゃないんです
七夕や人溢れいてカフェテラス
澄む水に己が影引く夏の鯉
澄む」は秋の季語それも、結構秋が深まって
万物の影際立てて梅雨の明
ともこ
鉢植えの下葉の傷み大暑かな
病窓に遠き街の灯星祭
染抜きの「どぜう」の暖簾大暑かな
紫の皺の濃淡茄子の花
ドクターヘリ空に消え入り大西日
消えてってしまうのは、ドクターヘリの躍動感がないね
一構
百日紅まつすぐとほる山の風
宿坊の朝の座禅や明易し
明易し配達人のバイク音
何の配達かわからんと、この場合は焦点が定まらないな
百日紅部活の生徒声あげて
ブカツ」って言うけど、あんまり使いたくないね、言葉にふくらみがない
命日に雨音かすか百日紅
昭雄
老犬の穴掘り沈む大暑かな
掘るのはちょっと暑いでしょう
黒てふ華麗な衣装揚羽蝶来る
てふ」は「チョウ」と読ませて2音です、「といふ」の3音をつめるテクニックで、
てふ」で「トイウ」と3音には読みません、わざわざアゲハと振り仮名しているので、
アゲハ嬢(キャバ嬢の流行スタイル)のことかなどと、余分な勘ぐりもできるわけで、
あんまり華麗が生きてきません
御神馬の白き睫も大暑かな
も」はこの際使いたくない
七夕や点の雫の墨匂ふ
天の雫とは、露のことらしいと分かるにはだいぶ時間がかかった、遠回りな表現だ
七夕や村の娘花となり嫁ぐ
はて?
ミヨ
お花畑雲また雲の古戦場
戦場ヶ原辺りね
尺蠖の終の一歩の宙さぐる
そう、これよくあるんだな、終の一歩くらいではインパクトないんだ
譲られぬ田の水加減冷し酒
田水の調節は難しいから年寄りが頑張ってる、そういうこと
霊山へ向かへば大暑後退り
大暑は二十四節気の暦の問題で、暑さそのものではないです
七夕やそこだけ光る軒の闇
良人
餃子屋の瀬戸の箸置き大暑かな
最近の割り箸使わない風潮ね
短冊の大小ありて星祭
夜風来て七夕竹にそよぎあり
素直に詠みましょう
校庭も校舎も無人大暑かな
碧空に光溶け込む大暑かな
登美子
皿洗ふ水はじかせて大暑かな
はじかせる」というのは意図的でしょう、そう派手にバシャバシャとは皿洗わないでしょう
大暑かな父が丸めた砂だんご
夏休み本に朱線の二三本
七夕やベンチの二人相寄りて
炎天下人流れゆく先に駅
炎天下」というと、この暑いのに」という思いが見える、炎天や」とするだけで、暑さの中を駅に向かう人の光景が客観的に見えてくる、それをどう思うかは読者が判断すること
七夕やナナシチシチと数遊び
ただの地口になってしまう
七夕や恋人とみる勘違い
燃えに燃え挑む姿は大暑かな
なにに燃えているのか?
食べ物や対処は何か大暑かな
グランドで大暑をとばす球児たち
笠原
心地よく目覚めて襖蟻止まる
目覚めたのと、蟻が襖を這っているのに因果関係はないでしょう
老い犬の腹擦りつく大暑かな
七夕に腕白何をや金の札
金の札:フダって、短冊のことだろうね、腕白坊主が何を願い事しているのか?というのだろうが、思いは俳句に表現できない、それを伝えるためにどう表現するかなんです
我が二票当て所探れど大暑の日
七夕や懐旧の河闇の先
利孟
香煙に酔ひて新盆棚供養
パナマ帽いささか香る養毛剤
駐車場待ちの行列大暑かな
星合の色糸流す床飾り
熱き風送り来戻り扇風機