1月のもう一言

聖子
生家には抜け穴通い嫁が君
嫁だから生家とうまく組み合わせた
種割れし手品宜しく新年会
収穫の米の横取り嫁が君
横取りなんて言葉はめでたくないね
新年会師は上席に笑むばかり
ヤンキーのすぐ着崩れて新年会
ヤンキーて言葉も好かんが、新年会で着崩れるか?、
一講
大漁旗壁に吊られて新年会
脚で雪掻きて草食む寒立馬
これはよくある絵ですね
塗椀の朱色目覚めて新年会
渾身の僧侶の一打除夜の鐘
嫁が君一度は見たし富士の夢
比呂
徒食三日の夜も更けにけり嫁が君
横腹の理由なき痛み雪来るか
体の天気予報てのはあるのは分かる、雪来るかは強すぎないか
朱の盃の金の鶴泛き新年会
母刀自の顔施いただくお元旦
榾組みの字毎違へどんど焼
良人
建て替へし生家を出でぬ嫁が君
招かざる嫁が君背に招き猫
招かざるが・・
はきなれぬ靴ほぐれそむ新年会
雑居ビルさながら居着く嫁が君
おのずからなる道一途嫁が君
ネズミ道というのがあるというだけのことを難しく言いすぎだね
芳子
袴襞折り目正して的初め
うす暗き本殿追はる嫁が君
普段なら人が居ない本殿に人でのある正月は追われるのだというのは言われれば納得だが分かりづらいね
顔ぶれも今年は違い新年会
口遊む唱歌は知らぬ初笑ひ
初名乗声高らかに寒稽古
各人の矢を寄せて、落とした順に決めるという射会の作法があるのだそうで
信子
うつつ世に物溢れいて嫁が君
あるかなき荷の隙間より嫁が君
荷物がほとんど無いように聞こえる、あるかなきかの隙間が言いたいのだろう
新暦夢膨らます日々溢れ
ビルの影ビルに重なる寒の入り
待春の掌に繰る九十九才の詩集
そういう詩集があるそうだが、
郁子
ぬば玉の忍び姿や嫁が君
降る雪に舞ひ上る雪那須五峰
雪が降ったり吹き上がったりを言いたいならせいりしなければ
生ありと思ふ朝の寒卵
菖蒲田の枯にかすかな水の音
乾杯のグラス一斉新年会
和子
籾殻をさぐるリンゴや女正月
籾殻に詰めた林檎が毎年届くとはなかなかの贅沢
嫁が君厠に飾る花一輪
古い家という感じがあるよね
五、六個の蕾に値札福寿草
嫁が君子等興じたるゲームにも
少しだけ心華やぐ新年会
少しだけの華やぎなら俳句にしなくてよろし
昭雄
新年会高めに結ぶ袋帯
結びようも華やかにということで
新年会大吟醸の床飾
大吟醸は酒だとは思うけど言葉は足りないでしょう
煤の香を着飾る客や嫁が君
煤の香を着飾るまでひねるのはいかがか?
嫁が君来てをり玉の水飲みに
玉の水がどうかね
少年や雪消轍の桂馬跳
恵子
朝ぼらけ一人囃して薺打つ
暖簾出てそれぞれの道新年会
盃を干し調べとなりぬ翁かな
廃校や笛の音冴えて静かなり
室の中丸々として嫁が君
誠次
遠き友文短くて初メール
見るにつけ危険伝わる雪降ろし
報道レポートではないのですから
来てもよし姿見せずに嫁が君
きみまろのDVDに初笑い
新年会十八番の歌で拍手受け
登美子
新年会楊枝袋の恋占い
うまいこと見つけた、遊び人だね
ビンの栓笑顔で抜いて新年会
牛丼に七味ふりこむ冬ごもり
食事作るのも面倒だから牛丼買ってぐだぐだとを冬ごもりというのも面白いね
ざわめいて機窓に顔寄す雪の富士山
言葉を正確に使ってください
大寒の火色の月に手を合わす
冬枯やローカル線に汽車走る
汽車が走ってるだけではね
旧友と新年会に再会す
神棚の重ね餅引く嫁が君
広き田の遠近見える若菜摘み
注連明けて畑に動くトラクター
酒の味新年会は美酒に酔う
うさぎ年跳んでみたいな嫁が君
信念や今年も通す新年会
新年会酒にカラオケ初尽くし
嫁が君スーツ姿はグレー系
利孟
新年会体と年のことばかり
天井にまた家の乗り嫁が君
梅が香や待ち人来ぬといふ神籤
初寝覚眼鏡どうにも見つからず
片手割りして黄味固き寒卵