2月のもう一言

一構
春浅し合格祈願絵馬揺れて
城砦の石青々と春浅し
春日傘閉じて老舗の甘味処
甘味処の老舗って分るような分らぬような
湯煙に浮かぶ磐梯山春浅し
凍滝やおもひおもひのシャッター音
シャッター音はどうかね、滝を詠って欲しい
昭雄
春浅し巫女きりきりと髪束ね
ちょっと寒々とした白の衣装が雰囲気出している
春日傘赤子へ傾ぐ宮参り
宮参りには日傘がつきものなんて風習もあったりすると思う
那須岳に雲駆け上る畑焼く日
春浅し船頭磨く手馴れ棹
降るたびに名を変ふ雪の山に住む
雪の名にあれこれというのはすごく良い、だけどうまくできてない
敬子
校門に挙手の礼して卒業す
そうか、類似句いっぱいね、まあ、選んじゃったから
春立つや筏流しの船頭唄
こういう季節の筏流しはちょっと船頭唄詠うようなのんびりではないかも
マネキンを運ぶ車へ風花す
裸のマネキンが並んでいるのね
春日傘寄せてベンチをわけ合ひぬ
風濤のせめぐ水音春浅し
比呂
冴返る赤子の遠き夜泣き声
春浅し浅き流れの藻のみどり
浅し浅きと重ねたくない
行平の著き焦げあと遠雪崩
遠雪崩と響くかは問題だが
待ち人に傾げて合図春日傘
いいね、合図がどうなんか
将棋盤隔つ長考ささめ雪
隔てるに引っ掛かった、評判良かったけど
郁子
寒開けて億年といふ水の音
億年といふが、良いのか悪いのか
早春の鳥を集めてゐる林
あっさりうまくやったね
春浅し眠りの深き古墳群
古墳と深い眠り、そういうもんだが
春立つと余生の扉開けて待つ
三丁目バスの間遠や春日傘
三丁目バスというバス会社みたい
於した
春日傘町の墓所の犇めく
春浅し救急ヘリの着陸す
春浅し空にひといろ飛行線
薬湯の緑に染りし浅き春
クスリユ、ヤクトウどう読むかで変わるが
丹前も形見分けなるいとつかな
形見分けの丹前には季語性を見るのは難しい
芳子
修正の朱色の文字や春浅し
おもふことはみな捨つること春の雪
断捨離とかいうのが流行りらしいが、こういう哲学的な句は苦手で
青銅の屋根の照映え春日傘
お寺の屋根、青銅か?
春めくや祝辞の長き地鎮祭
地を割りて出づる新芽の音弾け
音弾けはちょっと言い過ぎかも
信子
行き帰る縁日通り春日傘
ポストまで辻いくつ折れ春日傘
よべの雨紅梅になほ降り止まず
島あまた浮かべ松島松の雪
春浅き湯気の中より灰汁掬ふ
うまい発想だが、なにやらぼんやりしている
恵子
新色の口紅淡し春日傘
春浅し脱いだり着たりの一日や
一日やはいけないでしょう
青空に吸い込まれ行く奴凧
吸い込まれ行くってスピードが有りすぎる
春日傘瀬音聞き聞き遠回り
遠回りが意識しすぎか
小さな手豆撒くごとに福寄せる
うまい句だと思うけど、小さな手がいやなの
ミヨ
オリーブ油余寒の頬を休ませり
朱塗橋日の中り行く春日傘
木のたかみ斧かけしごと冬三日月
逃げ込みし崖に乱舞の三十三才
逃げ込みし、乱舞、イメージが?
科学館玻璃の水色春浅し
玻璃が窓ガラスとつながるか、この句の場合問題
聖子
春立つやゆつたり雲の流れ出す
頬撫でる風の尖りて春浅し
足元に気配り開く春日傘
代々の議員の写真春の雷
春雷が一喝か、前書き要るね、新装なりし議会庁舎にてとか
春浅し走り根破るアスファルト
人目引く双児姉妹の春日傘
山茶花の垣根囲らす旧農家
田園に煙柱立ちて草焼ける
煙柱ってのが落ち着かない
春浅し学童の息まだ白し
季語二つ、季も違う
次々と咲き継げるかな梅の花
風吹くや半身に構え春日傘
雪の枝たわわになりて春浅し
季語二つ、季も違う、良い句になるかは別に軽い忌日で置き換えるという手はある
春うらら手にした傘を忘れたり
手にして忘れてるってどうね
やわらかな日差しの中の日傘かな
日傘は夏、柔らかな陽射し?
春浅旅のバス停氷柱落つ
そのとおりだが、いかんでしょうね
利孟
遠火事の空の火照りや豆を打つ
七輪で暖取る露店フリージア
春浅しかろがろと引く旅鞄
色白の支那の血筋や春日傘
千成りとなりて小粒の夏みかん