8月のもう一言

昭雄
縄文の土器に焔の跡吾亦紅
新藁を積んで安堵の露天風呂
わらぼっちにして、安堵か?
新藁の香に埋もれ鬼ごっこ
鬼ごっこだとやはり蹴散らすんでは
吾亦紅馬居ぬ馬場の飼葉桶
千年の杉新藁の注連飾る
ともこ
乳牛の強き後足今年藁
ちちうし」と読むのが雰囲気でしょう
草叢に息づくひかり秋蛍
鎹の軋む木道吾亦紅
膝上に開く弁当吾亦紅
膝上ってどこ、弁当食えないよ
今年藁犬を相手の火守かな
信子
遠く日の落ちゆく広野吾亦紅
男気や櫓組む汗光らせて
櫓組みに男気は入らないなど鵜
夜の蝉や繰り返し読む友の文
浮く脚の一つを正し茄子の馬
降る雨のゲリラなす夜の大暑かな
大暑って二十四節気だし、どうしたものか
一構
流鏑馬の飛び散る的や吾亦紅
球場の応援絶えて秋に入る
なにかが終わってなにかが始まる、そういう繋ぎ方より、何かがあって、何かが起きる方が面白い
義足にてボルタリングや夏の雲
義足であるということは、得意であっても詩情では無かろう
原発の是非喧し秋に入る
木道の傍にとびとび吾亦紅
聖子
新藁の青き匂ひの藁布団
現実に使っていましたか、ベッドマットくらいしか知らないな
新藁を食ぶ一頭残る牛
トウブ、とはきざかも知れないが、残る牛が結構あれこれ思いが広がる
庭荒れし母の生家や吾亦紅
残暑てふ二文字重し夜勤明け
残暑てふ重き二文字、というフレーズは使える、夜勤明けという朝の時間は残暑という時間帯だろうか?
風評や軒の雨音吾亦紅
良人
吾亦紅裾野の風は纏綿と
山雲の色を受け入れ吾亦紅
風運ぶ渓声を聞く吾亦紅
新藁を丸め投げ合う兄妹
そういうのもあるのだろうが,見えない
新藁の納屋に踏み入る遠野郷
踏み入るってどうよ
郁子
新藁の匂ふや納屋の太き梁
藁を入れる納屋の梁が太いか?、新筵とかだとありそうだが
男体山を指す方位磐秋の風
県庁前にあるなら、岩ではないだろう
青空を引き寄せてゐる吾亦紅
川幅は流れにまかせ秋の水
芒野や流れる雲と入日かな
や、かなでは形でバツでしょう
於した
新藁の匂も縒りて縄を綱む
誤字では思いは伝えられない
大花展色どるものに吾亦紅
吾亦紅が色どる程に華やかか?
蓮華田に佇ちて独りの浄土かな
レンゲダという響きは難しい、紫雲英と間違えるし、蓮の花に浄土というのはちょいとどんなもんかと
旅先で作る御朱印吾亦香
まあ、御朱印と言えば神社仏閣などで押して貰う物で、平民が作る物とは違うが、判子なら分かる
七竈色づく前の重さかな
青いときが重いような、なるほど
恵子
吾亦紅ゆがみし茶碗の自服かな
日暮に急かれて掘りし化石かな
日暮を、ヒグラシとよむのは、栃木県では当たり前だが、蝉の仲間は蜩とする方が良い
菜を刻む音に負けじと草雲雀
釣針の餌を狙ひてやんまかな
釣りの餌を狙うってありそうかも
左撚り掛けて供えし今年藁
なぜ?、確かに注連縄などはそうなのだが、なにかが分からない
敬子
女伊勢天狗御輿に気勢あぐ
多分清記ミスだな、ダテは伊達、伊勢はイセだ
新藁の的に弓ひく小原流
巻藁に矢を射込むという話だろうが、これでは小原流は今年藁の的を使うのが決まりだという句のごときで、
流派は実は関係ないはず
民謡のとどく山里吾亦紅
山里の民謡大会ではないだろう
原爆忌昭和に生きて人去りて
人去りてがわからん
遠き日の母の戒め葛の花
何の戒めかなど理解が届かないでしょう
登美子
糸蜻蛉舞ひては休むこと多し
茄子の紺朝餉の卓へパリへ発つ
新藁に腰掛けうわさ話かな
なるほどね
縁取りを夕陽に染める吾亦紅
夫を撮る後ろにやさし吾亦紅
写真の上手な撮り方ね
野仏に老母手向ける吾亦紅
老母などはいらぬ話で、くさい演出でしかありません
ものげなき花とはいえど吾亦紅
あたりまえではあるが素直な句です
新藁や汚染で泣かす放射能
見逃すな裏に山あり吾亦紅
人の行く裏に道あり花の山」、この株式の乱高下などの話でしょうかね
新藁や人も新し物事は
花びらを持たない花や吾亦紅
そんな感じってことね
懐メロの深夜放送秋の風
新藁や放射能にも気を配り
秋来ても原発ニュース去りやまず
鬼ヤンマ上下左右にガラス窓
美代
足半の湿り和らぐ夏祓い
アシナカ、なんでそんなものが出て来るか,難しいね
針念仏漏れし寺領のわれもこう
針念仏ではなく、釘念仏ですね、輪王寺でオフだが頂けるそうです、間違った行事名では話になりません
茶屋の軒切り口隔て今年藁
吹き替えて古い藁と層が出来ていると言うことだというなら
蜥蜴飼ふ拙き九九の声高に
上句、中下句はそれぞれ良いのだがぶつけても響かない
取つて置きのワイン酢となり油照り
利孟
城山へ抜ける馬の背吾亦紅
ときに面拭ひて雨の中の蟇
法師蝉寺の朱塗りの斎の膳
新藁を積み荷造りの瀬戸物屋
お山の大将ジャングルジム灼ける