11月のもう一言

比呂
里神楽天の磐戸の紙造り
紙造りでも問題ありませんが、ちょっと考えます
絹糸の赤を買い足す小春かな
里神楽鈿女命毛むくじやら
青蜜柑少年鳩を飼ひ馴らす
取り合わせが唐突かな
熟れ柿や菩提寺蔵す抱き仏
蔵すってのがいけないでしょう、抱き仏ってのは個人的なものがおおいので、誰それのとか、コレクションとか分かるようでないと
昭雄
小春日や桶伏せ終へる厨事
熟柿吸ふかの日のやうに口汚し
かの日って通じない
小春日や見へぬ塵掃く作務の僧
良い句ですが、見えるをハ行で活用させてはいけません
掌中の熟柿の重み畏れけり
畏れけりがよくわかんない
藁塚に埋める夢の熟柿かな
夢って何?
良人
雲水の下駄音高し熟柿落つ
手を叩き鯉呼ぶ池に小春かな
大谷石塀に音無く熟柿落つ
深き瀬に小波立たず小春かな
瀬を広辞苑で引いてください、深い瀬ってのがどういうことか
単線の無人の駅に熟柿かな
早朝のジョギングさわやか秋の空
さわやかは秋、爽快にすれば意味は同じだが逃げられるでしょう、句は説明的ですが
柿のれん旧家ののきにびつしりと
隙間が無いと乾かないんだけどね
夕空の熟柿に群れる小鳥たち
あけびの実農家の垣根にたわわなり
子の集ひ小春日和の川遊び
しないでしょう
美代子
柿熟るる山河ゆれゐる奧会津
次の間も掛絵は夢二冬館
小春日やきびがら細工きゆきゆとなく
子曰く子等諳んずる秋うらら
木鐸打ちてより論語小六月
於した
もてなしの一つに熟柿匙添へて
式部の身ほろほろ受けし掌
一舞で背の汗ばみし小春かな
小春日や稚児行列の伸び縮み
伸びたり縮んだりって時間の経過はいわない報が良いでしょう
今痛み耐へてるメール秋f深む
聖子
買ひ物のメモを濡らして初時雨
秋惜しむローカル列車乗り継いで
座布団の二枚枕や小六月
籾殻の中に熟して蜂屋柿
小春日のグルメ行列幾筋も
グルメってのは美食家、行列したりしないものです、店も客を選びますし
敬子
陽を受けて山家の熟柿鈴なりに
柿熟るる窓辺に開く娘のたより
紅白の一樹に開く寒椿
分校の課外授業や小春空
分校の課外授業って分からない
合唱の声揃うて小春凪ぎ
合唱ってそういうものでは?
シクラメン二人暮しの焼むすび
これも飛躍しすぎるようで
山茶花の置活け朝日透きとおり
カフェテラス会話がはずむ小春かな
山あいの軒に連なる熟柿かな
熟柿を吊すってことがあるんですか?
いつまでもいつも心に小春かな
心の小春は季語じゃないよね
カフェテラス会話と小春ハーモニー
3と同じ人でしょ、同じ句を2句句会に持ってくるなどというのは不見識です
熟思たる推敲かさね熟柿かな
こういうことに知恵を使う暇があれば俳句を作りましょう
利孟
釜飯に卵とあんず小春かな
福一人占めむと掲げ大熊手
凩のつのり蒼天みだれざる
斗酒もまた辞さぬ男の熟柿好き
色変へぬ松や破れ舟破れ漁網