3月のもう一言

利孟
菜の花の一汁二菜おままごと
花菜漬け出さうで思ひ出せぬ夢
雛祭り嗚呼女子会といふさはぎ
これ、アアギョクハイニってのと遊んでんだけど
探梅や遅延の電車を待つ列車
桶の闇乱して水を吹き浅蜊
昭雄
拳より眠くなる子や雛祭り
菜の花や手打ち蕎麦屋に夢二の絵
蕎麦屋にってのは状況、の絵っていうとモノ
菜の花や那須野はるかに御用邸
当たり前だな
平成の生まれが飾る享保雛
菜の花の海からあがる肩車
聖子
ままごとの余所行き言葉春の風
うまいね
雛日和主婦の仕事の終り無く
やわらかき雨降り続く春暖炉
暖炉に雨がかかってるみたいだな
川風に乗りて菜の花うなづいて
大鉢に菜の花活けて書道展
きっとそうだったんだけど、なんで?って思うわけです
良人
石段を壇に見たててひな祭る
見たてるんじゃなくて、壇なんでしょ
空に鳶海に波音吊し美名
イイネ
那須岳の峰に薄ら陽雛祭
吊るし雛伊豆の入江の波静か
鈍色の山懐のひな祭
比呂
落椿揺るる行者の腰草鞋
うまいね
如月や昼も小暗き銃砲店
前も銃砲店があったな
霖雨して大涅槃図の巻き疲れ
さすがに達者だが、霖雨してなんていう必要あるわけ
雛あられこぼして嬰の這ひ回る
靄はれて名の花色の風の土堤
ミヨ
大地震に止むなき離村辛夷咲く
止むなきって、そうだろうけど、直截に時代を評していて味わいはないよね
御宿や月の砂漠の詩おぼろ
菜の花や門前横町西東
遠蛙筑波山は闇に横たはる
蝦蟇の油だね
共蓋の赤絵におやか雛の膳
赤絵っていうとどうも焼き物の感じで、雛の膳に?というのが個人的印象でボツ
廃屋に虫穴を出て一文字
老夫婦内裏雛のみ飾りおり
菜の花の畑一面に黄絨毯
いつまでも厚着やむなし遅き春
一列やカギ型になり鳥帰る
信子
雪陵の海見据え居る尾白鷲
雪陵?、雪の丘でいいでしょうね、居るを「ヲル」と読ませたければルビを振るより、仮名表記です、季がさなり
列車発つストーブの烏賊炙られつ
ストーブ列車ね
吹雪浜陸に列なる漁舟
サハリンの風哭く浜や雛の宿
岸離る婚礼舟や花菜照り
芳子
ハングルは絵文字のごとき猫の恋
ごとき」では切れないから絵文字みたいな猫の恋」ってわからないですよね、ハングルは絵文字でもないし
踏みしめて踏みしめて行く春の畦
踏みシミテは栃木弁表記でした
先づ買ふて愛でたる色や桃の花
理屈がおかしい、買ふはコウテと音便にしたら「買うて」と表記します
菜の花やジーンズ姿走り抜け
黄色と青の対比なのだろうが、それでって感じなんだ
掛軸を飾りて仕上ぐ雛の間
掛け軸で仕上げるってのが分からない、どういう軸なんだろ
恵美子
雛祭り戦火逃れし土人形
土人形だから焼け残ったみたいな雰囲気があるでしょ
店毎の看板となり雛人形
人形祭みたいなのが多くなりました
菜の花や黄色の絵の具買い足して
菜の花の絵を描くのに黄色が要りますというだけではね、黄色でもいろんな色があるからそんなものを持ってくれば違うのだが
菜の花や指先見えし学生服
塩結び頬張る先の菜花かな
登美子
菜の花や盛りに少し愁ひあり
花の盛りの愁い、何となく和華蘭ではないが
ひなまつりみんなやさしくつつましく
菜の花を追われし蝶の戻りけり
なんで追われたか見えない
ビル街の箪笥の上の雛祭
箪笥の上の雛祭はうまいが、ビル街のは安直すぎる
身に叶ふ土産のひとつ花菜漬
小さな幸せですか
敬子
幼稚園手作り雛の雛祭
江戸雛飾る米寿の祖母の笑み
祖母が米寿って、随分若いかも
緩急の指揮大らかに早春歌
受け流すことも幸せ黄水仙
鎮魂の地蔵を拝す花菜風
探すと読んだ人も多いがそれもありだね
雛祭り白酒に酔う親父かな
白酒で酔うオジサンてのもいるだろうけど、それで俳句の題材にはなるまい
天は青菜の花咲くや地は黄色
事実でしょうが芸がないでしょ
菜の花を家族で食す絆かな
そんなニュースの一場面があったからと言って、俳句に仕立てるには一ひねりも二ひねりもしなければ格好がつきません
室内に飾る菜の花香り満つ
いつは無いが何処でナニがどうしたというには17文字は少なすぎます、大胆に省略を
被災地や潮染み雛悲しげに
被災地なんて言わなくても分かるんですよ
於した
雪あかりさしてひひなのほの白く
雪あかりが・・
高ぶらず菜の花どこもかしこにも
高ぶらず?
囀りに親子の会話ありしかな
ぺちゃくちゃみたいだから?
やはらかな風に色増す花菜かな
温かくなって花数が増えたというのか?、よく分かんない
しげしげと見つめ雛にも笑みのあり