5月のもう一言

利孟
夏の山行者に随いて山ガール
調子が良い
青山椒炊いて味見といふしびれ
桐の花足湯の底に白き砂利
指揮刀の桜と錨南風
咲き満ちて首のすはらぬ紅牡丹
信子
口開けて開けて子燕育ちけり
春風や腰に遊ばすフラフープ
夏の山馬ノ背越えの空の青
白牡丹ほろほろ山の日が暮れて
行く春や暮れゆく空の遠妙義
登美子
牡丹花の崩れて重き香をまとふ
全身の長さ見せつけ蛇進む
牡丹花や崩れる無念萼さらす
牡丹花の根元に天の散華かな
誓い立て見上ぐ扁額仏法僧
夜にお参りして誓いって、丑三つ参りみたいだぞ
ミヨ
青嵐鉱毒の山残る疵
瀬戸引の駅の名大き薄暑光
盛り塩やととのふ軒の夕牡丹
ショーウィンドウまことしやかに来たる朱夏
まことしやかに・・ってのも面白いけど言い過ぎてないか?
青嶺出て那須野台地とわかる水
郁子
源流のここが県境若葉風
木漏れ日を額に頬に栃若葉
若葉雨森に深さの生まれけり
風を抱き崩るるごとく散る牡丹
夏の山抜けて光の湖に立つ
於した
手こずつた子に労わるる柿若葉
葉脈に緋をにじませて牡丹かな
添木して一尺ほどの牡丹咲く
茎が折れたから添木なんて、特殊なだけでしょ
おぼつかぬ運転夏の山遠し
頼りない運転だからいつ着くか?なんて俳句なの?
牡丹の綾なす花弁閉ず夕べ
芳子
蝌蚪寄りて水の力の溢れ来る
牡丹の紅色こひし人恋し
事実としてそうなんだが、それだけでは
点眼薬冷たくしみて花の雨
トンネルを抜くる県境夏の山
古戦場わが身震えしえごの花
オカルト、霊感、?
敬子
花冷えや異人連れたつ蔵の町
牡丹咲き縁の語らい夕灯し
薫風や小鳩の憩う観音像
神籤ひく鳩のはばたく夏の山
神社と夏の山の位置関係が近すぎませんか?
巴波川夢を択して鯉幟
夢をあれこれ選択するてのは無いでしょうからね
比呂
いまだ雪解かぬ奥峰夏の山
採りたての野菜を並べ牡丹園
夫婦には血脈は無し桜の実
役体もない桜の実というのが良い
膝打ちて謡ふ浦島杜若
剥製の鳥啼き出せる西東忌
一構
立山の雪借景に山桜
情景はどういう感じかは分かります、それが雰囲気をもたないと三文です
牡丹のくづるるあはれ雨滂沱
出迎は雷鳥二羽の夏の山
地図になき道を踏み分け夏の山
夏山のゆりぎし岩を踏み渡る
昭雄
乳房の大き城門牡丹咲く
乳飲子の皓歯零るる白牡丹
山また山山のむかふに夏の山
こちらは夏の山ではないのか
恋心秘して紅おく白牡丹
夏の山罠かけしまま昏れ残る
草縛りか何かのことなんだろうが分からん
花咲きて疲れを癒す夏の山
夏の山変わる天気に思案して
鯉二匹川と空にも端午かな
健やかは端午のためにありしかな
健やか、端午をどうつなぐか、この二つのフレーズの組み合わせは良いので
鯉幟なびく姿は男の子
良人
谷川の流れ音増す夏の山行者に
牡丹聞く寺に鐘音山の音
遅咲きも時節の花も夏の山
大牡丹時節の花を小さく見せ
透かし見る頂上間近か夏の山
庭園に女王のごとき牡丹咲く
夏の山清流山峡迸る
登るほど輝き増せる夏日の出
機械化や一夜明ければ青田かな
や・かな×
地面まで先端届く藤の花
そうなんだけど、先端なんていわずに、「先(さき」といった方が耳に入るでしょ