11月のもう一言

聖子
束の間を惜しみて弾む祭足袋
祭は夏の季語ですがまあ細かいこと言わずに
立冬の木霊谷来る山仕事
立冬の薄紅の空山仕事
立冬の堅く音立て門扉閉ず
立冬の蛍光装備走りをり
蛍光装備っていうから、お巡りさんかなにかの反射ベストやら思ったが、まあ夜のジョギングくらいに思う方がよいかとも
敬子
走り根を労るごとく散紅葉
尼寺の裏口やさし檀の実
立冬や新書に学ぶ人生訓
時雨るるや峡の寄せ鍋取り囲む
これは珍しいものをみんなでみているのか、食っているかも分からない
母縫ひし羽織懐かし文化の日
文化財の羽織かね?
ミヨ
薪ぶつさく音立てて来る冬将軍
ぶつ割くが言いたいのだろうから、手はつけませんでしたがどうしたものか、音立てて来るが、音立ててで切れるか、
立てて来る冬将軍となるのかどうも不明確ですね
茶の花や路地つつきつて郵便夫
路地って突っ切るほどのもんではないし
奉納の写経賜り初しぐれ
写経会で書き上げるとそこに御朱印をいただき持ち帰るのだそうだが、原句では誰かが奉納した写経を坊主が勝手に
配ってるみたいでおかしいよね
人入りて置き鐘つんと冬の寺
秋の蝶花ある間いとまなし
信子
俄雨過ぎ立冬の日差しまた
気配してしぐるる日光いろは坂
秋まつり人気屋台へ最後尾
お祭りに出る山車について回るのかと思ったら、どうやら縁日の屋台へのことのようだ、持って回った言い方する
ほどのもんじゃない
冬に入る宇宙の隅に宇宙船
こいつは面白かったねn
虹懸けて立冬の雨過ぎにけり
良人
笹を打つ音引き連れて村時雨
対岸に時雨の気配草なびく
対岸というような言葉遣いは好きじゃないね
夕日影長く黒ずみ冬に入る
立冬や放牧の牛影と添ふ
比呂さんの放牧の牛牛はすでに山を降りてるでしょうというのが正解にて
時雨雲にわかに隠す筑波嶺
時雨の空って全体がどんよりしてどこから降っているかも分からないって感じでしょう、急に雲が湧いて山を隠す
ってのも雰囲気ではない
立冬や掌中の碗ずつしりと
掌中のというと、珠と受けてしまい、大きさが足りない
村時雨両手頭に小走りに
朱の映えて地蔵の頭巾冬めく日
古寺の参道埋める松枯葉
マツカレハは松の害虫ですね、松枯れなんてのもイメージとして悪いし
立冬の空に流れて鳶の舞
形はそんなところだが、いつでもある素材だから
昭雄
みたらしを溢ふる湧水時雨来る
立冬の雀じゆじゆじゆと弾む声
微笑の羅漢も在す冬日和
微笑の羅漢の在す冬日和
降頻る時雨の湖の真つ平
筑波山男体山向かひ合ふ冬立日
敢えて破調を狙ったならそれなりに分かり成功していないと、まずどう読ませるかを考えさせるようではどうにもならない
比呂
喫茶去の軸掛けをれば時雨けり
掛けをればの時間の不明確さ
白秋忌利久鼠の母の帯
お茶のリキューさんは、利を休む:離れるということで商人だったが商売っ気無しにというような号のようですね
立冬や回廊長き大雄寺
幣の欠片も賜ふ七五三
幣:みてぐらと読ませるなんて難しいね、状況もこういうことらしいがなんの請っちゃ!て理解に苦しむ
哭泣のごと冬波の轟ける
冬波の哭泣すという句をひねったら最高だね
井戸端の会議は踊る時雨のかな
時雨にと転ばぬ先の傘を持つ
これぐらいまでが俳句としてギリギリより外れたくらいなところでしょう
布団こみ追われし主婦や時雨なり
言葉が多い、追うはハ行で活用
巡りくる季節の移ろいはや立冬
ニュースから続々届く立冬便
立冬の便りということはあるが宅急便じゃないんだから栗東便はないよ