12月のもう一言

利孟
信濃にて終る巡礼十二月
上野発札幌一便十二月
親火より炎を頂いて秋遍路
龍の玉関守石に止められて
むささびの駆け星ひとつふたつ消ゆ
芳子
鴨の陣影より生るる水輪かな
鴨の陣と影はどういう関係?鴨の陣の影なら分かりますよ、天
に取るのに相当かまっちゃいましたけど
那須岳を仰ぐ枯野の道祖神
椀一つ足してふるまふ根深汁
大根炊きとかも冬の景ですね
みほとりの地位先荷物や冬館
冬構の屋敷とか宿、そこで身の回りにあるものが僅かだという
のだが、その景とか荷物が具体的に見えてこないよね
むささびや崩さぬ闇に眠りをり
誰がどうしている?
ミヨ
常の山狩猟の音に殺気立つ
常の山って、山ばかりでなく大方は常ですからね、狩猟の音っ
てのもわかりませんね、罠が跳ねる音もあれば、弓矢ってのもあるし、鷹の羽音かも
むささびや締めてまつくら杣の小屋
暮らしているんだから
地つづきの百穴古墳秋耕す
堂普請仏ほとほと十二月
ほとほとが副詞だとすれば十二月にかけるのはどんなものか、とうとうの

意味ならそういえば良い訳で
冬日向つぐらの猫のぬの字かな
のの字みたいに、ぬの字があっても悪くはないが、どんなふう

って、コントみたいでしょ、日向とつぐらってのが矛盾してるんです
一構
古時計今日も捻子巻く十二月
十二月声高々と般若経
禅寺に塵ひとつなき十二月
山畑に一本の鍬十二月
畑に鍬がというのはあったな
旅先の一人の夕餉十二月
まあ、旅は一人ってこと当たり前の話です
比呂
十二月煮炊きねんごろ土間竈
耳の記憶に雪来る気配募る風
言葉が多過ぎ、音律も悪い
露天湯の乳色雪の隠れ里
木枯やいぶりがつこの燻し小屋
いいね
むささびの鳴くや山の端?きて
難しい言葉を使ったね、どう使えば正しいのかよくわかんない
過ぎし日の足音勤務の薬食ひ
薬食いを使えたのはいいね、足尾の薬食いでヒットですが、過
ぎし日のとか、勤務のというのは句として不要な言葉です
鬼怒川の水量減りて冬枯れぬ
水が減るのを冬枯れというんですから説明してもらう必要は無い
のです
林道も落ち葉に埋もれ回り道
林道もって、他は山中かな?、回り道ってどういうことよ、眼前
を詠むっていうのに、そんな事情を説明したってしょうがない
あれこれとせかせか動く師走人
それを師走というのでして
むささびの滑空姿や鳥の如し
鳥の見立て程度では何の発見もないでしょう、ごとしはいけません
輝子
月明かり怪しくうかぶむささびぞ
面白い景です
音もなくはらりととける初雪や
初雪や白く冷たく手に解けて
お歳暮にあの顔この顔温かく
一般論としてそうでしょうが、もっと個別具体なものを
年の瀬に大一番の宝くじ
俗っぽい話です、大一番というだけじゃあちょっと足りない、札束を積み
上げて宝くじを買うくらいなら面白いとは思うがそれでも川柳の域は出ない
むささびや会議時間に滑り込む
会議に滑り込みセーフって花鳥風月というほど限定はしないけど、
素材としてどんなもんですか?
物音や森の静けさむささびか
末枯れや走馬灯ごと十二月
「のごと」とは使うが、名詞にごとをつければ如しの意味には
ならず丸ごとのときのごとです
十二月家族に笑顔赤子育つ
誰もが覚える感興だが当たり前です、そこに当たり前で無いも
のを見つけるのが俳句詠みです
カレンダー残り一枚十二月
先人がそのことを古暦と季語にしているんです
信子
むささびの翔ぶ一瞬の虚空かな
大鳥居ビルとビル間に十二月
年中そうなんだけどね
出航の空の鈍色十二月
確かに飛行機でもいいんだが、落ち着かないし分かりづらいと思います
出帆の遠き銅鑼の音十二月
胸に背負ふ嬰の二の足小六月
背負う、負うは、背中にデスクに、胸には抱くものです、二の
足と二の腕は言葉として本質的な違いがあります、勝手な日本語の創造をせず日本語を大
切にしてください
聖子
むささびの隅に来たるや破れむささび滑走棲む洞へ
理屈だけだね
十二月戦艦大和に乗つて九十歳
冬ぬくし屋上から見上ぐスカイツリー
屋上からでも見上げる高さだっていうが、そんなもんで
しょう、面白くない
山眠るブローチ落とした遠い日に
夏の日に麦藁帽子で、冬はブローチですか?理解不能
むささびを図鑑に探す星の夜
そんなことする訳が無い、オオムササビとか、フタコブムササ
ビとかいるんですかね?
良人
むささびの滑空は餌を取る手立てかな
そんな当たり前のことを当たり前に言ってもしょうが
ないです
むささびの飛びて山寺寂び返る
寂び返るってのは?
路地埋める車の渋滞し十二月
それほど渋滞しているという図だというがさほど面白くない理屈
木末含めて風に音あり町師走
街中の木々に電飾師走かな
漠然とした対象について電飾があるんでわけわかん無い、どん
な町、どんな木々に、どんな電飾がとかなにかを分かるように