12月のもう一言

利孟
社員証下げポケットに冬帽子
どんな色した鳥来るか青木の実
お下りの白きケープに着脹るる
賀状書く観自在馬頭観世音
年詰まる路地へと廃品回収車
昭雄
青木の実真昼しづかな尼僧院
青木の実村の鍛冶屋は銘を刻み
鳥の羽根挿して米寿の冬帽子
冬帽子胸に祈るや節くれ手
畔叩く荒野の老の冬帽子
良人
朝市の売手のかぶる冬帽子
色褪せし庭に真紅の青木の実
軒裏の暮色に浮かぶ青木の実
棟高き石倉影に青木の実
妻は赤夫は黒の冬帽子
比呂
ピーターパンの空横切るらし寒満月
住み慣れし袋小路や青木の実
寡婦といふ身分賜はり花八ツ手
びっくりするような句を詠まんでよ!
中折れにある抓み艶冬帽子
うなぎ屋に届く備長炭俵
ミヨ
鉤針や日差し編み込む冬帽子
梵天掲げうねる雄叫び柚子の里
蕎麦がきや手裏ほのと小丼
秋例祭菩薩背負ひて当番来
具体的には分からないけどこんなお祭りの仕方もありそうだというのはわかるね
味噌蔵の軒のかたへの青木の実
信子
青木の実昔は此処に練兵場
老犬に合はす歩幅や冬帽子
白い息吐き梵天の荒々し
梵天祭りですか、食いたり無いけど
予備も添へなきがらに着せ冬帽子
都会人の闊歩小粋に冬帽子
都会人でマチビトですか、?
聖子
駄菓子屋の老いし店番冬帽子
園児らの真っ赤な頬っぺ冬帽子
園庭に黄の一団の冬帽子
目二つを残しすつぽり冬帽子
青木の実色の闌ここかしこ
輝子
掘炬燵重なるあしをちょっと踏み
焼き芋や焼けた焼けぬか端折りぬ
病室の臭いの陰に冬帽子
青木の実庭木を分けてきらりかな
病いして浮かび見えるは青木の実
敬子
郵便夫垣根をのぞく青木の実
合唱の園児揃ひの冬帽子
巻き雲のスカイツリーや冬浅し
巻き雲というと雲の種類か何かのようだがそうでもなさそうで
霜月の草木無想雨晴れて
実南天患者こもごも受診待つ
どれかぶる外出迷う冬帽子
リトマスや酸に反応青木の実
紅一点山歩きの青木の芽
似合うならかぶりたいぞと冬帽子
ファッションやペアでかぶる冬帽子
巴塵
紅濡らす月のあかりや青木の実
とぼとぼと路地に溶け込む冬帽子
トボトボとか路地とか惨めったらしいのが俳句ってもんじゃ無いのです
帯纏う宿の女将の青木の実
階や青木のあかの瑞瑞し
青木の実は青木の赤ではないでしょう
大ジャンプヘル脱ぐ顔の稚し
ヘルでヘルメットって俗な印象になりますね、沙羅ちゃんでしょうけど
木瓜
思い入れ紅色放つ青木の実
冬帽子デザイン飛びて未来人
街外れ紅化待てるは青木の実
散り放ち寒さ宥める焚き火の音
音が散り放つ?わかりません