3月のもう一言

良人
奥鬼怒は七重八重にも山笑ふ
鳥声の満つる里田や山笑ふ
手に及ぶ畔の温みや土筆摘む
身の丈の揃ひし群れの土筆摘む
轟けて風峡を吹き山笑ふ
比呂
春時雨朱塗柱の小町堂
小町堂がどんなのかは知らないが小さなお堂が見える感じです
土筆野や杭と化したる志士の墓
分け入りし雑魚取り舟や蘆の角
野鍛冶打つ最後の鍬や百千鳥
なぜ最後なのかわかんないですよね
薄化粧の延命地蔵山笑ふ
昭雄
山笑ふあくびをころしゐる山も
野仏の膝につくしの一掴み
一陣の風に土呂部の山笑ふ
雪解水太平洋へ水笑窪
鳶ときに羽うてる那須野山笑ふ
信子
三寒四温模型の烏の吊るされて
野の光もろともつくし摘みにけり
裾山を染める夕日や春田打
学寮の子に子の生計山笑ふ
くらし」とよませるのはちと無理か、たつき」と無理やりならまだいけるかも
励まさる言葉の魔法春の風
巴塵
大鳥居くぐれば山の笑ひ声
山笑ふという季語が声は前提としていないね、春の山のおおどかさでしょうから、
笑い声というひねりようはよほどに声が聞こえてないと難しい
佐保姫の筆の染めゆく野山かな
土筆煮る湯気にくもりしガラス窓
夜のほどろ山くすくすと月あはし
理解不能
寝ころびて目せんに並ぶ土筆かな
目線は嬉しくない
ミヨ
木蓮の蕾触るるや羅紗のごと
触ったら羅紗のようだったと余分は言わず、羅紗だと言っちゃう断定が俳句を強くします
草野球踏みしただれし土筆坊
落ちぬてふ願かけ石や山笑ふ
経石の日月窓の芽出し風
難しい言葉を並べましたがね
間伐の大鋸屑ちらす春疾風
聖子
迂回路の赤の点滅山笑ふ
岩に彫る仏福耳山笑ふ
土筆んぼ雨にうたれてうす緑
雨に濡れて色が変わったという言い方だと面白くないんです
分譲地の旗なびかせて土筆んぼ
川野辺の土手の土筆の背比べ
一構
山の日は西に帰りて土筆伸ぶ
西に帰りてもなかなかユニークだが
土筆摘むピンクの靴の小学生
ぎりぎり入選
土筆伸ぶ造り酒屋の中庭に
土筆伸ぶ薄着の夫婦手を繋ぎ
つくしんぼ風柴犬のうなじ打つ
敬子
陶工の壺を翳して山笑ふ
めづらしきレシピ見出す春の蕗
春の蕗だと特別の食べ方がある?、まあ春は蕗の薹に止めておけば俳句では足りそうです
春告鳥楽譜あるかよ節つけて
雪兎きやらの樹上に瞳清ら
竹林のひだまりあまた土筆生ふ
山路来て流れる水音山笑ふ
毛筆や手紙にづづる土筆の穂
絵手紙なんでしょうが
裾野にてせせらぎ奏で山笑ふ
なにが?
ドライブや声の弾みて山笑ふ
ふるさとの道端に立つ土筆かな
輝子
露天湯のみなもが踊り山笑ふ
わざわざみなもと仮名にする意味があるか?
手招きて休みし手元つくしをり
土筆はいない、生える、あるものです
錦鯉若き飛沫ぞ山笑う
三句切れで、若き飛沫とは?
晴れの日の匂い豊かよ山笑ふ
湯煙の吹き出しあたりつくしかな
木瓜
老い人の登り弾みて山笑ふ
老い人?、登り弾む?わかんないね
並び立ち背丈競ひし若土筆
まあ、土筆が年取るほどはながくは生えてないように思うけど
チューッとな若さ吹き咲くチューリップ
山笑ふ古里覆ひ隙間無く
ビルの傍土を温め土筆立つ