6月のもう一言

利孟
なんとまあ子供御輿の親の数
おろされて鳴らぬ割れ鐘山法師
海の香を凝らせて濁りこころぶと
梅雨深し破風に屋号の石の蔵
素裸で向ふ湯小屋や河鹿笛
昭雄
山法師湖底に眠る平家村
谷宿の灯を消して聞く夕河鹿
山法師見上げる句碑のくづし文字
出棺の今こそ光れ山法師
少年の遠目差しや河鹿笛
とおまなざしねえ、どうしたもんか
良人
渓音も闇が高める河鹿笛
渓音も湯音も越へて河鹿笛
越ゆが終止形ですからヤ行で活用です
河鹿笛川瀬を渡る湯の宿へ
奥那須の雨に色増す山法師
滝音に都と染まらず山法師
都でフツと読みがあるようだが、まあ使わない方が無難
比呂
麦刈るや大地の焦げを剥ぐごとし
川風の象に馴染み河鹿笛
写し絵のやうな母と子山法師
母子が似てるて当たり前だからもう少し具体が良いかも
梅雨深し床屋に項さしのべて
蛍草一尾分け合ふ夕餉かな
一尾分け合うってなると鰯級、足るとなれば鯖、鯛くらいでしょう、ちなみに夜まではツユクサ持ちません
聖子
疎らなる客の電車や走り梅雨
大石にぶつかる川瀬河鹿鳴く
河鹿鳴く太き走り根浮き出でて
真赤なる夕日に映えて山法師
雨上がり湿る足元山法師
信子
火渡りの僧ましくらに聖五月
河鹿笛湯治始まる朝ぼらけ
草津みたいな温泉療法てのもあるから事実かもしれんが分かりづらいわな
湯上りを吹かれ首振り扇風機
銭湯の脱衣場なぞによくある風景だが、女湯での景を思うとおぞましいような
山法師名もなき山の丈くらべ
里に咲いた山法師と前山のあれこれの丈くらべてのも一興
河鹿聞きいつしか寝入る湯宿かな
ミヨ
長梅雨や神馬も馬柵を蹴りたがり
赤ワインぐいと寄せ来る雪解富士
船付場水音ねむらす行々子
観音磐拝す在郷の山法師
河鹿笛渓に老ひたり養魚守
養殖じゃなくて、岩魚釣りなんかの監視員になってしまうけど◯◯守は活かしたい
芳子
神木に釘打たれゐし蛍闇
丑の刻参りですか
住む人の無き家となり七変化
名水の里てふあたり河鹿笛
あたり」が気になるけど
廃線の焼け付くにほひ夏来たる
灼けるは夏の季語だけど
河鹿渓太古の地より溢れ出づ
木瓜
上風に羽ばたきめぐる山法師
迷いしも悟りて真白山法師
山法師が心を持つわけがない、悟りの色が白というのも分からない
河鹿笛急流岩場弾み飛び
三連続の名詞がどこでどう関わるかが分からない
これが地と胸張り叩く羽抜鷄
痩せた胸でも張ってるてことはあるでしょうけど、鶏に感情移入されてもね
仮の世の震れて流るる河鹿笛
亀の子を欲しいとねだれれ店さがす
青大将水面を泳ぎすいすいと
かま首をもたげてねらう青大将
何をねらってんのか?どうして狙ってるて分かるか?
蛇の衣垣根に垂れて長き帯
まむし酒引きつけ子に吹きかけて
マムシ酒の効能は素晴らしいのは分かるが、詩情はないな
せせらぎに河鹿の音や二重奏
争いの歴史をたどる山法師
どうやら、山法師が花木と分かっていないのでは?
古の散歩に誘う山法師
静かなる中で奏でる河鹿かな
水面澄み河鹿の音色流れたり
巴人
湯の煙文豪集ひし河鹿笛
天狗岩神領に聞く河鹿笛
とほり雨白眉雄々しき山法師
眉だけが見えるてのも変な話で、顔も山法師の花に見えてるとは思わないんだけれど
クリニック腕白坊主の山法師
クリニックがどうかかわるのか?まったくわからん
跡切れがち樹風の渓の河鹿笛