12月のもう一言

利孟
血の色の会津の器葛湯食ぶ
冬枯野遊び仲間をさがし風
爪先で窪ます田の面初氷
若松を束ねて揺らし杣の背ナ
笹鳴きやひねもす小屋に籠る犬
昭雄
狛犬の耳のそばだつ笹子かな
笹鳴きにまた盗られけり写経の眼
言葉をひねれば良いというものではないのです
名刹の柄杓に英字初氷
陽に翳し歓声上る初氷
初氷こけしの首をまはすおと
敬子
板塀を音なく猫の行く小春
歌声の夢現なりクリスマス
子供?年寄り?、どういう状況かね?
竹林の遠近ひかる初氷
笹鳴や手作り花瓶仕上がりし
横笛の未来の祈り石蕗の花
未来の祈りってのは何なんでしょうね
信子
笹鳴きや光拡げて休耕地
残業に帰る靴音初氷
どんど火の追ふて追はれて猛りけり
晩酌をせぬ餉に慣れて初氷
何のことやらわかりませぬ
笹鳴や昏れ染む山の美術館
輝子
初氷り露天の湯気の上り立ち
初氷り沈みし枝葉取り込みて
朝月夜神明様の初氷
朝月夜なんて造語はムルですね
いざ行かむけふの着膨れ初氷
おもしろいんだけど、着膨れってのは季語なんですね
木の葉擦れ聞けば笹鳥影ひとつ
笹子がいても育って笹鳥にはならないんです、普通のウグイスになります
ミヨ
権現碑の日差しすぐ飛ぶ雪笹子
粗壁の大根しはしは八溝郷
間伐の杉横たはる冬の月
初氷不動の鯉の髭ぢから
胸に住む人恋ふ虫や冬薔薇
こういうのを好きな人もいるんだけど、どうしたもんか
比呂
冷ましつつ母に参らす冬至粥
返り花五年日記の古栞
花八手山の水引く外東司
ソトトウスって語呂が悪くないでしょうか?
薬湯の染みし桧の桶笹子泣く
寝ねかてに聞こゆ靴音夜寒かな
良人
笹鳴の途切れず越える沢谷地田
小坊主の下駄音高し初氷
水音の消えし鯉沼初氷
鯉を飼ってる沼なのね、ようやく分かりました
笹鳴や風間の藪に揺ぎなし
笹鳴やはしゃぐ子の声甲高し
音音と重なるね
笹鳴きの目覚まし時計代わりかな
水溜まり光まぶしき初氷
薄氷を踏む冷や汗の初氷
通り道屋敷の音色笹鳴かな
笹鳴の静かな調べ奏でたり
寒竹を切りて作りし小ざるかな
山散歩木の葉踏みつけカサカサと
山散歩何て言葉が通用するという日本語感覚がおかしい
寒椿仏壇飾り一人〆め
仏壇飾り?
寒菊や仏だん飾りにぎやかに
同じ発想の句は整理して一句だけ出すこと
冬枯れて野辺の草木裸なり
そうだよね、誰が見ても、それをどう自分らしく表現するのかです
巴人
手水舎の柄杓が下の初氷
参籠やかはたれの杜笹鳴けり
時間帯が違うような気もするし
垣根ごしピラピラ尾羽の笹鳴けり
ピラピラ尾羽??
泥濘に長靴うはしやぐ初氷
泥濘てのは春泥にかぶる感じ、長靴ははしゃいだりしません
笹鳴くや立木も知らぬ宮の杜
木瓜
拙守り波に揺られて漱石忌
拙を守るという漱石の生き方ってのは一般的な知識かね、違うと思うよ、それは波に揺られることもなかったろうし
年越のパイプ分厚く太きもの
本歌取りというのは本歌を越えるようなものや全く発想を転換したものなどそれなりに唸らせるものがないとつまらないです
ちりばむる藪の笹鳴朝日射す
年惜しむ眼鏡外して遡り
中句まで期待したんだが、遡るは意味不明
コンダクター下す一振り初氷
急速冷凍ですか?離れすぎてます