正月のもう一言

利孟
深雪晴舟曳水夫の力瘤
バター泡立ちて人参は飾り切り
初東風や駅より家へ小半刻
スキーヤー転倒異国の叫び上げ
大寒の筑波山は風の倚るところ
木瓜
書初や使い古した筆で夢
裸木となれど雑念捨てきれず
人参や歯応え硬く詠み難し
俳句の句は自己撞着
初東風や隠れ忘るを叩き出し
東風>思い起こす>忘れたことを思い出す、なんだろうがそれを「隠れ忘る」「叩き出す」は大掃除の疊の埃じゃあるまいし乱暴です
人参の程好き背丈然りげ無し
人参の背丈?、程よいとはどれくらい?、まして程よいとさりげないとはどう関わる?
ミヨ
初空へ大の字直と野州鳶
出初め式のはしご演技だね
コーヒーミル押し出す香り冬深し
ミルが押し出すて言いますか?
星ちらし夜毎育てり採氷池
初東風のからむ螺髪や観世音
面白いんだけど、観世音には螺髪はない、そこらは常識的な絵だと思いますから×です
人参の赤黄チップス旅の膝
旅のお供の人参チップスて、ちと省略が過ぎましょう
比呂
睨み合ふ目無し片目や達磨市
用語が最近では差別的だなんてことになりかねないが、そんなこと言ったら日本語がなくなっちまいます
滝行や錫杖囃す寒の水
寒の水を囃すんではないんでしょうね、言葉の関連性がばらばらな感じです
終の間は二間で足るる冬夕焼
金色夜叉は未完に終り寒の月
初東風やつんのめるやう歩き初め
昭雄
初東風に袖ひるがへる巫女の舞
日と星の覗く人参畑かな
昼となく夜となく育つということですかね
人参や仔馬は親を離れ跳び
人参に仔馬が喜んで飛び跳ねたというのかしらん、まあ仔馬は春の季語
寒の通夜釦を嫌ふ釦穴
難しいこと言うね、手がかじかんでるのかね
初東風や雨情旧居の自在鉤
雨情旧居は見飽きましたな
敬子
うすらびの垣に寄り添ひ初雀
初東風やアルパカの鼻ひくひくと
子供じゃないんだから、ひくひくなんて言わんときましょう
まろやかな人参入りのなますかな
まろやかと言えば料理評論になると思ってはいけません
七歳の威儀を正して弓始
花八つ手歩行訓練茜さす
訓練がはかどったというならなにより
良人
初東風や鬼怒川の下流に富士光る
下流には無いもんね
初東風や社殿に急ぐ巫女に吹く
初東風や手に取るばかり筑波山
初東風のゆらす菓子屋の幟旗
古稀過ぎて人参の味なほ嫌ふ
正直だけど薄い
信子
冬晴や車上研ぎ屋の店開き
昔は自転車かなんかでしたが
花弁に切つて人参炊き合せ
地物とはいかず七草買ひにけり
否定形で作るのは面白くない、嘘でも良いんです
初東風に過疎地の原の無彩色
一番風呂揉みし湯の香や雪催ひ
輝子
東風の海飛沫あがりて鴎鳴く
定位置か人参隅へ野菜棚
空青く満ちし臘梅輝けり
光る池朽ち枝黒きツガイ鴨
黒きは、鴨にかかるんだろうが、そうなると朽ち枝はどこでどうなっているのか?
花型の人参散らし馳走かな
鉢植えのみかんたわわに実りける
俳味ということを感じてください
麦踏みや昔足踏み今機械
寒菊や花壇の中に一人咲く
初東風に心清めて作句かな
俳句つくりを素材にしたら堂々巡りで先に進みません
人参や妻の料理に舌つづみ
ここでのろけられてもナア
具だくさん紅一点の人参かな
一葉の初東風吹くや舞い落ちる
初東風の和服の髪をなでにけり
初東風の太宰府からか吹きにけり
東風ふかば思い起こせよ・・ですか
人参の掘り出し鎚の落ちにけり