3月のもう一言

利孟
建前の棟木の弓矢朧月
飛び石を濡らして消えて春の雪
春雨や話無用の友もがな
春浅しボタンで開ける列車ドア
彼岸会の法話手短かにて合掌
信子
荷車の引っ張る畦の春日かな
いくら荷車でも畦を乗せて行くのは大変だ、あぜを通るなら荷車より、一輪車とか、猫車てのが良いんでは
着膨れの手繰り上げ待つ聴診器
待つってなると、ずらりと並んだ患者がみんなシャツを捲り上げていて、右から順番に、ハイ、ハイって一人の医師が聴診器を当ててく感じだね
朧夜や太郎の爆ぜる「夢」一字
洗顔の泡を両手に朧かな
お彼岸や家計簿、日記不精して
ミヨ
啓蟄やくずれ菰焼く古墳守
良いね、古墳の周りの松の菰囲いのしまつなんだろうね
梅見頃ときに女子会車座に
茶寮はや篝火落し月おぼろ
彼岸詣?に商ふ芋串屋
分からんがそんな名物もありそうではある
春火鉢拵ふ僧や勤業す
昭雄
月朧鳴かせて拭きぬ通夜の椀
牛小屋に鎖の音や朧月
月朧夢二の描く柳腰
廃坑に殉難の墓碑涅槃西
使ひ瘠せしたる麺棒涅槃西
そんなに使い込みますか?
比呂
山笑ふごはごは乾く柔道着い
水の無き星へ探査機朧月
雑魚売りの庫裡に来ている彼岸寺
彼岸の法要があろうに貧しい寺だろうなってのまで分かっちゃうね
ささやかに児の力瘤梅の花
山裾に雪解の水の乱舞かな
あまい
良人
おぼろ月寄り添う星の光削ぐ
当たり前すぎるけどまあ
洗面の両手に温み入り彼岸
里寺の風の和らぐ入り彼岸
鐘の音の乾きて過ぎる入彼岸
日を返し輝く墓石入り彼岸まで
一構
日光の水の暗さよ彼岸かな
那須暮るるホームの端に朧月
どの窓もカーテン閉ざす彼岸かな
木道を漢がふたり朧月
写真なら形になるんだがもう一声欲しいでしょう
祭り終へ街の夜更けの朧月
祭りは夏です
木瓜
原発の顔伺ひて蛇出づる
原発に顔は無いし、顔伺うっていうと、顔色を伺うって感じで、どうして?ってなるね
人生の味深き皺朧月
忙し世にふひとひと息彼岸寄す
波は寄せても彼岸は寄せて来ないでしょう
重軽き春の会津の彼岸獅子
そんな感じがしたからとか、良い加減な造語をしてもつたわりません
朧月果たせぬこの世夢おぼろ
熱はないかい?支離滅裂だよ
敬子
竹林に鳥語のこぼれ春近し
朧夜の古城を仰ぐ旅の夫
雪予報逸れし学童腕相撲
学童が雪予報したのか?、外れたらなんで腕相撲?皆目見当がつかん
故郷の地蔵に団子入り彼岸
ふるさとってのは遠くだろ?そこにどうやって団子を供えたのかね?、分かりませぬ
花菜畑おしやべり続く杖の人
そうだったかもしれないけど、で、それで?
はや五年復興おくれ彼岸かな
復興が遅れてるとかマイナスを句材にしても面白く無いでしょう、明るいところに目を向けた方が俳句はたのしい
煩悩や此岸を離れ彼岸かな
難しいこと言っているけど、季語としての彼岸は、彼岸会の彼岸、彼岸の中日前後の季節的なもので、あの世そのものは季語ではありませんから
目をこすり見直したるや朧月
震災地朧月夜に浮かびけり
そら見えますわなあ
弔辞読む人生語る彼岸かな
敬子弔辞ってのは告別式、彼岸法会ではあまり聞かないけど
俳人の自作句届き嬉しかな
徹底しての無季だが、嬉しかなとか無季俳句ですらないかも
コンピューター名人破り碁石打ち
無季、それも詩情が無い単なる五七五
何となく歩いてみたい朧月
年をかんがえましょう、徘徊老人と間違われますよ
老妻と小川のほとり彼岸花
畑仕事をしているのだから、彼岸花が秋に咲くのはしってるでしょう、兼題は詠み込みとはちがうのです、きちんと季語としての彼岸を詠いましょう
カリフラワー種類いろいろ食べ方も
百姓やっててこれしか言えないてのはものを見る努力が足りないね
輝子
おぼろ月おつかれさんと言ひそふな
神田街若き日誘うなごり雪
なんか貧乏くさいフォークソングの時代の雰囲気はあるけどね
恥じらいてはらりと溶ける春の雪
彼岸かな雨後の墓光満つ
夕暮に雑踏の間際梅の香や
雑踏の間際なんて使わないでしょうね