8月のもう一言
| 利孟 |
| 予備校の朝の行列夏休み |
| 逃る術無き魚を追ひ簗遊び |
| 実柘榴や時鐘間遠き古時計 |
| 残暑なほ地獄の釜の蓋開いて |
| 三代が遊ぶ駄菓子屋盆帰省 |
| 一構 |
| 帰省子とふたりで洗ふ箸茶碗 |
| 帰省子の太き指もて菓子つまむ |
| 欧州へ鉄風鈴を土産とす |
| 地方紙の第一面に七変化 |
| 地方紙の第一面の七変化 |
| 帰省子や雑木林に家一軒 |
| はて? |
| 比呂 |
| 奪衣婆の蓬髪紅き石榴の実 |
| 棚教に声和す若き禅定尼 |
| 大統領の折鶴清し広島忌 |
| かなかなのすべる水面や船禅頂 |
| 船禅頂はまだローカル季語では? |
| 盆休み床屋刃物を研ぎ溜めて |
| 敬子 |
| 店蔵の奥は暗がり青瓢 |
| 夏休み見知らぬ子等に手を振られ |
| 実石榴や昼餉は猫に声かけて |
| 帰省子の語る異国の暮らし向き |
| 艶失せし形見の櫛や魂迎へ |
| ミヨ |
| 祭例やはや帰省子の氏子ぶり |
| 祭礼やはや帰省子の氏子ぶり |
| 実ざくろや高所に晒す紺屋かな |
| 晒すのが何なのか?、紺屋を晒す? |
| 背のまろき同胞二人迎え盆 |
| 尾瀬口の民宿まばら流れ星 |
| おみならも下るロープや渓涼し |
| をみならも下るっていつの時代の話よ |
| 木瓜 |
| 五輪終ふ銀メダル下げ秋の声 |
| がちゃがちゃと一生懸命いつの世も |
| 「と」ではくつわむしのことにがちゃがちゃがならないんですけど |
| やることはやりつくしたな秋の蝿 |
| ひやびやと初心震へる柘榴かな |
| そんな印象?そうですかね |
| 帰省子や靴先の浮く親離れ |
| 靴先の浮くが?、親離れしたから郷を離れ、ときに帰省するのでは |
| 信子 |
| 柘榴熟る我等一家と移り住み |
| 話が見えない |
| 帰省の子帰り普段に戻りけり |
| 帰り、帰るでは混乱する |
| 標高の甘さたるもろこしにかな |
| 標高には味は無いのですから |
| 葉隠れの軽き水音蓮の花 |
| 蓮の華咲くや彼方の雲に触れ |
| 良人 |
| 帰省子を待ち侘ぶ親や無人駅 |
| 帰る当てもない子を駅で待ってるんじゃ岸壁の母です |
| 帰省子の戻る朝の刻早し |
| 空を背に登る石段裂く柘榴 |
| 空を背に登る石段柘榴熟る |
| 寺男空を仰ぎて石榴かむ |
| 実石榴や山路の崖に縋り居り |
| 健 |
| ふるさとは帰省ラッシュとともにあり |
| 居酒屋のカウンターには石榴鼻 |
| 石榴鼻は季語にはちと |
| 望郷に駆り立てられる帰省かな |
| そうですね、それで? |
| 先祖の碑線香手向け帰省かな |
| 顕彰碑などにはあまり線香はあげません、墓でしょう? |
| 野趣あふるかぶりつきたる石榴かな |
| 輝子 |
| 帰省の娘稚児置きすぐに友人会 |
| 稚児っていわないよね自分の子供や孫のことを |
| 実石榴や廃家の往時にほわせて |
| にほはせ」です |
| 帰省子の髪の白きに迷ふ我 |
| 少なくとも我はいらない、できれは迷うのもやめてくれ |
| 国訛り帰省の席に飛び込みし |
| 奥会津老婆の供する石榴かな |
| 奥会津の名物なのかい?、たまたま貰ったなら奥会津だの老婆だの言わずに柘榴を見ましょう |
| 昭雄 |
| 帰省子のまづ向かひたるポンプ井戸 |
| 帰省子の四肢天に向く奥座敷 |
| 手足が天に向くってナマケモノみたい |
| 大津絵の鬼を酔はせて柘榴酒 |
| 大津絵の鬼は寒念仏だからちと違うかも |
| み柘榴の矜持家伝の矜持とす |
| 柘榴の実に矜持を感じますか、なんとも分かりません |
| 帰省子に燈す提灯濃紫 |
| 凄い提灯があるんだ!、それにしても迎え提灯を門前に帰省の子のために掲げるって凄い家ではあるがちと分からん |