正月のもう一言

利孟
鳳凰の舞ふを探して初茜
大阿弥陀仏の背負ひて初筑波
風除けの垣に隠れて遠筑波
大寒波空の底まで透きとおり
先づ上がれいやこれにてと礼者かな
比呂
米一つまみづつ十二社に初詣
ちと景気よく御供えを
筥迫の飾りシャラシャラ子の礼者
若水や井戸に小飾り佃島
初鶏や餌漁る声も清らなる
二峰の間に朝日や初筑波
昭雄
玄関の下駄や草履や初礼者
入れ替わり立ち替わりの賀客が詰めかけるというのでしょう
初筑波四録の蝦蟇の目覚めかな
目覚め、目覚むで随分意味が変わるように思いますがいかが?
飛石を跳んで鈴鳴る賀客かな
飛石を跳ぶってそんな不作法な礼者なの?
初礼者里の蕎麦屋の盛二枚
どうして蕎麦屋に入るのかが理解不能
初筑波杓よりこぼす二、三滴
二、三滴はなに?
二三軒回りほろ酔い礼者かな
二軒か五軒かなどまんまである日必要は無い、あくまで素材
山容に朝日さしたる初筑波
初夢の句作に悩む夢中吟
意気込みの闘志抱きて去年今年
曇天の雲間の影絵初筑波
良人
塀囲う屋敷町行く門礼者
双峰の分ける福の日初筑波
双峰もよく分からないですが
一望す関東平野や初筑波
長屋門くぐり母屋へ礼者かな
初筑波北に加波山西武甲山
信子
初筑波遠く離れて青みけり
子の誇る父のトラック初輸送
竹箒巫女の手に手に年の内
口添へて手話の賀客へ手話の礼
鏡餅昨夜の野州のつむじ風
聖子
青空に赤きクレーンの初筑波
官庁の重なる名刺初筑波
ちょっと離れているかな
少し酔ひ口上端折る礼者かな
新しき国旗県旗や初筑波
受付に数多メモ書き初筑波
青樹
朝靄の晴れて落ち着く初筑波
四歳の孫女礼者を真似て来る
礼者来て酒宴再び盛り上がり
初筑波空にJAXAの星巡る
夫婦峰遠景穏し初筑波
オダシか・・
敬子
寒星や父の日記の朱線かな
や、かなは同時に使わないのが約束と思ってください
僻地校のオルガンの音や七日粥
新年の祖母は明るき白寿かな
しっかりしてるんですね
初筑波奇想天外の景に立つ
共に生き視覚楽しき年の餅
ミヨ
初日さす火走り残る煉瓦窯
屋号呼び合ふふだん着の礼者かな
初市や手締太鼓のきはやかに
蝦蟇口上根づく土地柄初日の出
天井扇ゆるり木の香の冬館
美恵子
正座して盃空ける礼者かな
点袋振り分け髪の礼者来し
初筑波板東一の来光清し
一の重礼者の語り長々し
初筑波福来陳皮の香を啜る
北限の蜜柑福来みかんをもってきたのは面白いが、陳皮は皮ですよね
木瓜
老ひてなほ覗いてをりぬ初鏡
老ゆ、悔ゆ、報ゆの3語が「ヤ行の活用です」
どんど焼不意の魔性の破裂音
魔性のてのがどうにも分からない
小正月旨酒要らず美句に酔ふ
麓にて友が掌合はす初筑波
友が掌合わす、これが分からない
険し伯父礼者たりけり額に入る
伯父の遺影なのだろうが、礼者たるというのは?、礼者は人格と関わらないでしょう
輝子
年賀状一年経ちて返事あり
言祝ぎし白白明けの初つくば
立ち待つる懐真っ直く初日の出
両親の見送り姿初つくば
絶へずして車窓に見ゆる初筑波
車窓に見えることの意義が分からない