8月のもう一言

利孟
綿飴とソースの香り宵祭
葛の花湯の香の満てる隠れ宿
踊る様良きを嫁にと踊り唄
縄暖簾分けて残暑の中へかな
時告げる頸の筋立ち羽抜鶏
巴人
御旅所の寝ずの盃秋まつり
首伸ばし肩怒らせて羽抜鶏
先達の老禰宜老馬渡御進む
祭事の用語としては先達で良いのだろうが、情景としては先頭に進む馬上の老禰宜は先導のという方がわかりやすい
鹿島だち一声高き羽抜鶏
去年ことし老ひまし祭り中をゆく
比呂
雲水の音なき食や蝉時雨
落蝉を啄む鴉にはか雨
空耳にわが名呼ぶ声羽脱鳥
花魁草のまだ化粧前白つぼみ
祭果る余韻に浸る人残し
ごもっとも
敬子
水ゆらし話上手や金魚売
旅先にて大き麦藁帽子買ふ
羽脱鳥サンバリズムを踊るやふ
子燕の三羽顔出す歯科医院
たしかにこういう景色はあるけど、十分に描写はできていない
残暑見舞白鳥の湖描き出す
青樹
羽抜でも手負ひ軍鶏でも閧を告ぐ
村祭り火男踊子等を釣る
餌の小銭で釣る踊のようです
羽抜鶏蹴爪を見せて威丈高
鳳凰の瓔珞揺らし御輿行く
百万本向日葵まつり村興し
これは向日葵が季語で祭の句ではありません
昭雄
羽抜鶏胸突き出して鬨の声
幕あひに寄付読み上げる村祭
祭の幕間のてのはどのタイミングをいうのか?
目を閉じて吹き収めけり祭笛
物言はぬことこそ主張羽抜鶏
たまにはこんな句も摂りましょう
影連れて祭に向かふ男の背
だれにでも影はあるわけで思わせぶりな割には何も無いでしょ
信子
木頭の統ぶる一声山揚祭
山揚げ祭の地域性を言わなくても誰にでも想像がつきます
満身に浴びる山の日羽抜鶏
羽抜鶏動けば動く己が影
あたりまえかもね
父の背に眠りて帰る祭髪
可愛らしいし、ほのぼのとした親子の情愛溢れる良い句故に多くの特選が集まっているが、先行句があるんですね、だから表に出すわけにはいかないのです
羽抜鶏集落は農に明け暮れて
神輿振り担ぐ若衆足袋そろう
大通り浴衣姿の人の波
裏通り金魚すくいの子等はしゃぐ
裏通りで金魚すくいってのも設定がおかしいでしょう
空蝉や林の中は静かなり
蝉の抜け殻があるってことは蝉が生まれてるってことだろう、どこか他所に行って鳴くのかね?、それはない
静かさや居場所としたる夏座敷
良人
羽抜鳥羽根を飛ばしつ羽撃きぬ
ありそうですね
羽抜鳥農家の庭を見回りす
あたりまえかな
足の羽根消ゆ羽抜鳥駆け抜ける
破調が面白いけど、動詞が二つあって、足の羽根と羽抜け鶏の二つの主語ができてしまって破調と合わさるとバラバラの印象になる
藍染の祭浴衣の姉妹行く
ただごと
夕闇に祭囃子の流れ来る
ミヨ
羽抜鳥しかも鶏冠の凜として
打ち様の太鼓さながら宵祭
どんな打ち様かがなければさながらでは受けられないのでは?
睡蓮や時指し人をとどまらせ
水位計たたきて通る鬼やんま
ヤンマの往復運動の折り返しは羽音を立てる感じが叩くというかんじだろうが、水位計をというのはどうかな
裏年の酢橘もぐ手を控へけり
ちょっとしか無いからっていやらしいね
聖子
ひもすがら居眠りばかり羽抜鶏
宮祭最後の見せ場ハシゴ乗り
そうですかというだけの情報です
宮祭制止戸惑ふ警備員
宮祭り迂回先々通行止
宮祭火吹き男に待ち笑ふ
美恵子
夏祭り陣屋の軒の島暖簾
夏祭り内裾の黒般若睨みおり
夏祭り神輿枕の唐模様
夏祭蛇の目ちらしの男たち
木瓜
一難を超えて羽ばたく羽抜鶏
原句は一難に具体性が要るが添削では一難の内容は問わずに済む
振る腕に舞ひて応ふる祭髪
舞台の上で踊っているのに手を振ったら一層張り切って踊ったというのだろうが、祭髪が分からないことになる
再発を公認大和原爆忌
日本語としても未熟、自分勝手な句だね
秋涼し還暦過ぎて道半ば
観念的なだけで空虚
雑草に肩を並べて姫女苑