5月のもう一言

利孟
スコップを担ぎ見廻り菖蒲畑
母の日やアルバムに古る肩もみ券
鯉池の深き濁りや五月冨士
老鶯や抜き晒しする古塔婆
走り梅雨追ひ越し列車の遅延して
ミヨ
島らっきょシーサーのある赤き屋根
集落をつなぐ水路のひつじ草
ゆるやかな流れである必要が・・集落では?
ポプラの秀梅雨満月を押し上げり
梅酒瓶かもしきたりて日付札
野地ここに集まる水音花菖蒲
比呂
浮き沈む小鯉顎(あぎと)ふ蓮の池
青嵐や塵労(じんろう)の髪乱しゆく
水煙の宝珠輝やく春夕焼
長雨に痛みし白き花菖蒲
檜皮葺慣らし過(よ)ぎるや走り梅雨
美恵子
花菖蒲絵扇かざし舞ふ神楽
絵扇は夏になりますでしょう
走り梅雨路面に映る黄信号
花菖蒲微笑み競いし記念写真
最期まで香水の女花菖蒲
香水は夏の季語ですので
壁延ふ根葉に見え隠れ走り梅雨
何言ってるか、分かる話にしないとね
聖子
梅雨深む庁舎チャイムのにじみ鳴る
梅雨の朝早出のバスは我一人
大木に蟻の行列梅雨晴間
梅雨曇傘を小脇にバスを待つ
梅雨の傘行列の先ラーメン店
昭雄
石鹸の封切り使ふ菖蒲の湯
胸を蹴る幼子はしゃぐ菖蒲の湯
幼子に暴力を振るわれている?、サイズがもっと小さいでしょう
風くれば光に変はる花菖蒲
たちまちに男体山かくす男梅雨
梅雨雫零れ山河を逆しまに
信子
繕ひの糸玉結び走り梅雨
夕灯り八十八夜の降る雨に
水さやぐ朝の光に菖蒲園
星空を引き寄せ蛙鳴(あめい)いよよなほ
菜の花に謝せば菜の花浜色に日や
良人
丈(たけ)伸びし花菖蒲田に風わたる
梅雨の川しばし中洲を覆はれり
花菖蒲背に八溝と筑波山
那珂川の流れの濁る送り梅雨
風凪ぎてあやめ水田に定まりぬ
木瓜
漫雨時見繕ひ梅雨の雷
夏痩せて鐵より重き頭かな
甘酒や通りすがりのお隣と
熱帯夜十五年ぶり酒交わす
15年に意味があるかな?
皆OK!てのひらひろぐ花菖蒲
青樹
忙しく餌探す雀梅雨晴れ間
早乙女は裾端折りして赤欅
在りし日の父の手植えの花菖蒲
雲重く鳶の舞う朝梅雨近し
トンビまで持ってきて、話をこんがらかせないこと
菖蒲湯に孫と浸かるは此までか
まあ、孫俳句の悪しき典型、じいちゃん長生きを前提に遊びましょう
敬子
柿若葉卒寿は夢のごとき日々
巴波川の女船頭夏つばめ
夏きざす牧場に早(はや)し仔牛生る
風の色紫にして湖夕べ
無季?
夏来るやレースフリルのワンピース
レースは夏なんです
巴塵
鉢巻に結びて匂ふ菖蒲かな
梅雨久し庭の草草あばれん坊
面白くしようなんてことを考えないでよろし
菖蒲園柳の腰の二人づれ
柳腰はあるけど、柳の腰は?、浮世絵の美人画かいな
あさぼらけ櫟の山の二輪草
雨具纏ふ女子高生の胸ゆたか
そうなんだろうけど、言うか?