7月のもう一言
良人 |
宿の灯に聞けよとばかり河鹿笛 |
☆ |
吹く風に笛の音乗せて初河鹿 |
○ 初河鹿なんてちと技巧的で結構かも |
どくだみの花咲く道に夜風吹く |
絶え間なき瀬音を越えて河鹿笛 |
石垣に沿ひてどくだみ咲きにけり |
美恵子 |
伽羅蕗や米寿の母の小さき碗 |
○ |
水底の素足赤みて河鹿鳴く |
○ |
十薬や分厚き左手如来様 |
○ |
気温図を真つ赤に染めて猛暑かな |
・ |
ましましで辛麺啜る猛暑かな |
マシマシって分からないわけではないけど、まだ流行語に近いでしょうね |
聖子 |
山宿の暮れなずむ頃河鹿鳴く |
○ |
どくだみや硝子越し見ゆ古文書 |
○ |
河鹿鳴くずつしり重いおんぶの子 |
○ |
山寺の東寺裏までどくだみ草 |
・ 山寺の東寺ってことはないでしょうから、これでしょうね |
山並みの夕日に染まり河鹿鳴く |
ミヨ |
源五郎すいと乗りたる雲の舟 |
○ |
十薬や母の活気の古土瓶 |
・ |
捩花の低き風まく足けんけん |
・ |
登山靴の紐締め直す馬返し |
銅都てふ月日の流れ河鹿鳴く |
木瓜 |
河鹿笛川の流れの音に合はせ |
草いきれ病床日誌あてどなく |
草いきれと病床には距離があって響かない |
夏草や分け隔てなし渺々と |
分け隔てなし、でも切れてしまう三句切れです |
毒だみのめまぐり迫る己が庭 |
めまぐる」という言葉があるのか? |
孫の目やじいじの査定鰯雲 |
この手の句は句会で人に読ませる必要なし、自分の日記にでもいれておいてくれ |
巴人 |
三峰の阿吽の狼や河鹿鳴く |
○ 俳句は定型の詩であることを意識して、その先に破調があるのです、はっきり言って雑です |
笑ひ声湯舟を渡る河鹿宿 |
・ |
河鹿鳴く明眸皓歯古杜の巫女 |
・ 奇を衒う言葉を見つけることが俳句ではない、句意明快、すぎなみきの連衆に伝わる表現があってしかるべき |
吊り橋や足覚束無く河鹿鳴く |
中八 |
どくだみの四弁蒼白土恥し |
発想は面白いけど、土の色黒がどくだみの白と比して恥ずかしいことと第三者が決めつける話ではない、恥ずかしがると恥ずかしとは天と地ほどの意味の逆転があることを意識することが「恥し」を「やさし」と読ませることよりも重要です |
信子 |
宿下駄で辿る外湯や河鹿笛 |
○ |
柩打つ石手から手へ百合の花 |
・ |
日盛りのビル影ビルへ丸の内 |
・ |
鬩ぎ合ふごと十薬の石越えて |
世の夏や水瓶に水貯へて |
昭雄 |
星讃ふばかりに河鹿鳴きしきる |
・ |
いづくかに水湧く処河鹿笛 |
・ |
もてなしは河鹿笛なる父の郷 |
・ |
十薬やちちんぷいぷい母真顔 |
望郷の枕がかたし河鹿笛 |
青樹 |
ゴリを突く河鹿住む背を上り下り |
・ |
奥入瀬の瀬音に和する河鹿笛 |
・ |
どくだみの根のたくましくあちこちに |
どくだみの匂いを指に持ち帰り |
河鹿笛背に聞きながらゴリを突く |
敬子 |
鴎外忌青草なびく記念館 |
小鳥の三羽鳴き合ふ夏椿 |
下野や芋街道の夏めきて |
神様は千変万化河鹿鳴く |
金色の箸添へられて夏料理 |
栄伍 |
遠雷に河鹿音細る夕間暮れ |
空耳か金襖子泣くらむ夕暮れて |
臭残るドクダミ毟り明日もまた |
覗き見る十薬の花清みし白 |
蛍季去りせせらぎ河鹿涼はこぶ |
蛍、河鹿、涼と季語が盛りだくさんで何をいわんとするか?分からん! |