11月のもう一言

利孟
霜月の龍柝に応へ高啼けり
板塀に朱書きの鳥居冬立つ日
点滴の垂れるを数へ小春かな
点滴が垂れるというのは漏れると同意義で医療行為上のミスらしい
好き放題破らせ障子洗ひけり
幣の風揺らすびらびら七五三
ミヨ
七五三(しめ)詣風の扱(しごき)の少女めく
安達ケ原山姥住みし洞の冷ゆ
お茶の花おうす与る茶亭かな
お茶の施設にはお茶の木は植えないから
登高や雲一片と入る比叡山(ひえい)
霜月や一幕復習ふ文楽座
復習うが分からないな
比呂
野良犬の上目使ひや霜の朝
二畳台目釜鳴り幽か秋黴入(ついり)
アキツイリのときはこう書くようです
霜月や湯気を四方に酒万頭
郁子熟るる覗き穴ある閻魔堂
御祓ひの幣音高し七五三
昭雄
霜柱なんぞ一蹴り寺の矮鶏
石段を上るが禊七五三
禊ぎはどうかな?
熱く濃くコーヒー香ほる霜の朝
シクラメンノカホリってあれは文字遣いとしては誤りですから気をつけて
若き父一礼深き七五三
太陽に拗ねて真白や霜柱
木瓜
七五三ネクタイ長めちと斜め
リフレインか
冬館7分(ななふん)遅れの古時計
事実は七分だったかも知れないが、そこに意味があるか?
霜月や漫ろ気忙し夕日暮れ
柿落葉崩るる我が身包みこみ
??熟し柿が落ちて落ち葉にくるまれているって、無理でしょうね
沈み入る夕陽見守る木守柿
猿蟹合戦か?柿を擬人化してもね
美恵子
御河童(おかっぱ)の女神主七五三
おかっぱというと女児のイメージ、最近は違う部分もあるようだが
湯気囲み途切れぬ話し霜月や
下五の「や」は難しい、湯気を囲み話が続くという状況がすぐに見えない
七五三土産の飴を引きずりて
伸ばし髪なんとか結いて七五三
ノバシガミなんて言葉があるかね、なんとか結うってそこに詩はありますかね?
七五三鷹の刺繍の睨みおり
刺繍の鷹は睨むけど、鷹の刺繍は睨まない
信子
鳩遊ぶ日和の杜や七五三
梵天祭(ぼんてん)の逸る地声や柚子の空
栃木のローカル、梵天は様々の形で各地の祭りなど登場しますが
霜月や野口雨情の居の小窓
冬に入る男体山の裏表
そういう話ですね
分刻む着時列車に冬来たる
着時列車??
巴塵
友の来て神有月の土産かな
神有月で分かる人は分かるけど、ちと嫌みでしょう
飛びそうなてふてふリボン七五三
てふてふだけ旧かなにして、そうは見逃す、結果知ったかぶりをさらけることになる、勉強しましょう
階や抱かれて登る七五三祝
お端折りやちっちゃな裃七五三
裃付けるお端折りは無いでしょう、ちなみに裃と肩衣は違うのですね
紅葉せず草に玉置く神無月
せずと見えないものを観念的に言っても無駄です
英郷
七五三登り抱き上げ宮詣で
宮詣でというと産土参りの意味が強いかも
霜月やインフル接種は闌に
季重なりですが、インフル摂取はだと医師の職場俳句でしょうね
石畳み風船揺らし七五三
霜月の樹の間に迫る古賀志山
日本百低山になっているそうですが、地名は有名地、歌枕など以外は分からないものとして詠むこと
七五三笑顔の母と顰めっ子
良人
霜月や男体山(なんたい)の嶺雲置かず
雲が無いというのは観念的、いつも雲に覆われているならそれもありだが
霜月や雨音優し車庫の屋根
霜月や並木路の空雲低し
霜月や那須山覆う低き雲
降る雨に銀杏並木路紅葉降る
青木
師走市露店手締めの拍手湧く
振り袖の幼女手に持つ千歳飴
はいチーズ親も子供も七五三
チーズお食べ、はい!かと思ったが写真ね、分かるように詠むこと
霜月や暦一枚成果無し
はて、もう一年が過ぎようとしながら何事も為さずに終わろうとしているて、この句で理解するのは難しい
霜月や家庭菜園芋を掘る
三句切れ
雅枝
初めての口紅嬉し七五三
嬉しは本人ならぬ作者の思い込み、迷惑なのかも知れませぬ
三味線の稽古は長し霜月夜
被布を着て座り込みスト三歳児
無季、座り込みストなど俳句の詩情を消す興ざめなことばだね
霜月や眠れぬ夜の赤ワイン
霜月で無ければというのが無い、季が動くのです
ネクタイは赤い蝶なり七五三
敬子
和やかな老いの学習秋の空
今日よりは大人になると七五三
甘柿のフライ笑顔の厨かな
そんなこともあるんでしょう
文添へて里より新米届きけり
詩吟せる古老の美声冬銀河
美声が無ければ秀逸なとりあわせだが