6月のもう一言

利孟
撓ふだけしなひながしの幟竿
厚さ増すお薬手帳梅雨晴れ間
腰揺すり音を紡ぎて風鈴屋
撓ふだけしなひながしの幟竿
炎昼の車夫lの身鎧ふ藍木綿
美恵子
薬売りの黒き革鞄や梅の雨
女梅雨煩悩の数の数珠作る
深呼吸して入る面接青簾
ガラス器の麺に一葉青簾
畑垣に高き黄旗や流し南風
農薬散布は赤旗だろうし、幸せの黄色のハンカチ?
昭雄
青簾操業誇る太柱
ながし南風結なほ堅き峪十戸
十戸て確定はどうかな、十戸ほどとか
青簾おんなじ寝相兄弟
青簾吊るして村は静なり
村で青簾は優雅すぎるかも
ながし南風乗ればすぐ着く渡し舟
巴塵
雑踏をつりかくしたる青簾
青簾草履のやふなパンを買ふ
ながしはえ苗立ち直る遑(いとま)なし
なぜ常用漢字の暇ではいけない?
ながしはえ雲を走らす那須ケ岳
ながしはえ宮の御輿の先払へ
はらへ!命令形、栃木のイ行、エ行の混同です
ミヨ
看板あるたばこと塩や夕薄暑
日本語としておかしいよ
会報来る青水夢月の信濃より
城跡や井の蓋さるるながしかな
青芭蕉地窓の風に一服す
地窓ってそういう位置にありますか?
幻戯庵うはさも少し青簾
角川源義の旧居だが、噂てのもわからない
雅枝
「ゆ」の暖簾分け出る乙女の洗ひ髪
植木屋の鋏響きぬ五月晴れ
コンビニの旗はためくや青嵐
春疾風遠きサイレン近ずきぬ
マンションのフロアに風情あお簾
風情があるから句にするのです
比呂
茅花流し昔の旅は舟に乗り
七庚神祀る祠や梅雨の闇
荒神、庚申、似た音の神様だが混ぜてはいけないでしょう
雨晴れて泰山木のよく匂ふ
雨は降る、上がるでしょう
相席の軽き目礼青簾
目礼てのはもとより軽いもの
青嵐や仔馬母馬前うしろ
良人
裏山に筍流し吹き抜けり
に」という目標があったら「吹き付けて」です
ざわざわと葦原超えてみなみ吹く
一陣の風やみてなおすだれ揺れ
裏方も表の通りも青すだれ
障子戸にうっすら明かり青すだれ
障子は冬の季語で、夏は葭戸に替えるていうのがあるのだが、いずれにせよ建具類を並べてはいけないでしょう
信子
街の灯を来て入る明り青簾
内外の明るさの対比なのだろうが
今昔の駅路(えきろ)へ茅花流しかな
ながし南風何度厨に立ちて暮れ
睡蓮の紅花白咲く数の中
二時の日の雲間に高く未草
午後二時が未の刻だからて、仕掛けがありすぎ
敬子
夏の夕社交ダンスを復習ふかな
庭石を囲ひ十薬花盛り
大平山今満開の辛夷かな
ちとずれてるかな
紫陽花のとりどり己が人生も
人生いろいろ♪
夏空や南国土佐へ歌の旅
木瓜
還暦を越してしみじみながし南風
さらさらと風透き通す青簾
透く」は誤用しやすいから要注意
夏菊や自由気ままに目立たつに
否定形は「ず」です
老鶯や朝の挨拶覚め止まず
挨拶しているのは?
飛びまわる鷺草の群れエサをやる
餌?肥料のこと?、飛び回るって擬人化はどうか
英郷
隣のは心地良さそな青簾
ながし南風やがて涼しくとばる夕
帳(とばり)を動詞にして活用させるてのはどうかな?
愛し児の顔を背けし青簾
ながしはえ流るる雲に先急ぐ
色褪せし簾越しにも雲が行く
秋簾ですね