2月のもう一言

森利孟
金色の艶の畳や雛飾る
顔(かんばせ)の古りて艶よき享保雛
凍滝の奥に寝息の水の音
大瀧の凍て龍神の深睡り
春隣り皇居周回してジョガー
石塚信子
氷瀑へアイゼン一歩一歩の音
かすかなる鼓動月下に滝凍る
サハリンの風哭く浜や雛の宿
雛飾る八段姑(はは)の手も借りて
産土に生るる風の音雛の灯
産土?
堀江良人
音もなく凍滝連る滝壷へ
凍滝や礼する人も仰ぐ人も
凍滝の観瀑台に声上がる
夜更けまで雛壇飾る畳の間
古宿の部屋の一間に雛飾る
小又美恵子
アルバムの青き凍滝登山靴
まだ淡き黄縞の猫や雛飾る
手送りでおやこ三代雛飾る
水温む色鉛筆で街を描き
両手の手を添えて飾るや二十歳雛
二十歳雛って?
会田比呂
四度の滝凍て岩肌の光りけり
袋田の滝のことなのね、見事でしょうね
稲穂簪挿し裃の年女
豆撒きですね
凍てきれぬ細き水音禊滝
母許に急ぐ近道寒夕焼
介護でもありますか?
婚の日の定め賢し雛飾る
渡邊聖子
袋田の山里の水滝凍つる
滝凍つる苔も凍てをり岩場かな
大正の武家嫁入りの雛飾る
凍滝の袋田駅に投句箱
雛飾る平家道具の雅叙園
大貫ミヨ
草も木も絡め滝凍て崖どころ
雛飾る灯火こぼるる帯戸かな
軒つくと蜂巣たちゆく大内宿
冬たんぽぽ未来の声をひそめけり
川敷や凍てつくビルの影ゆらす
栃木昭雄
政事など語らず今日は雛飾る
凍瀧の奥に水音満つ命
六歳の頃の婚約雛飾る
なるほど、だけど感動的かは別だな
荒行の乱声鎮め瀧凍つる
凍滝の奥に轟く谺かな
笠原木瓜
老うほどに春の光の眩(まばゆ)して
沁み込むる古き匂いの雛飾る
昨今の不安を脇に雛飾る
温暖化豪の野焼や果て知らず
直しても俳句にはなるまい
凍滝やぽつりと種田山頭火
野口英郷
なゐもなく菱餅一つ反り返る
なゐもなく・・?
今年また見果てぬ夢や凍り滝
行きたいなと思う心はなかなか俳句には、行ったつもりで作ってください
空温み遊びも華やぐ雛飾り
雛飾るというのは、そういうことなのですからそれを背景に詠んでみることです
我が家でも普通に見れるか雛飾り
何が言いたい、俳句を馬鹿にしてはいけません
底冷えて凍てつく瀧に身も縮む
底冷え、凍て滝、季語ですね、寒いときに縮こまるなどは当たり前で詠むに値しないでしょう