7月のもう一言

小又美恵子
蛇姫の清流濁し崩れ滝
星月夜ペアマスクして散歩かな
ペアマスクって、マスクは基本男女兼用でしょう
沢遊び野菜の冷えて昼餉かな
流れに浸けているんでしょうね
炭を熾し山女魚を捌く日向沢
炭は冬、バーベキューでも使うんですが決まりですので
トリミングのキーボード打つ星月夜
分かる人にしか分からないから弱い
大貫ミヨ
黒塚の灯のなき苫屋星月夜
安達太良の鬼女ですか
首里城跡黙して拝す炎天下
別にお宮でも無し、亡くなった人もいないので黙はあろうが、拝すはどうかな?
落電の擦過の大樹古戦場
落電は落雷のミスか?、言いたいことは分かるんだが、練れていない、古戦場も不要だし、昔の雷の名残では季語としてどうか?
雨上がり羽蟻住みなす杣の小屋
蟻も雨宿り?
ふかれ来て日にてらてらと梅雨の蝶
梅雨蝶に日がさすってのもどうしたものかと
渡邊聖子
炎天や宿のガラスに山映し
炎天で無くても映るから
鯉跳ねる音の波紋や炎天下
面白いかも
炎天や下山途中の沢の水
登山も夏
誘導中に道問はれけり油照り
何をしているかが分からない
栃木昭雄
背の児の手足喜ぶ星月夜
分かるけどね
三猿と決めて炎暑の奥座敷
頑固親父が拗ねてるみたいで面白い
老ひし母のしづかな湯浴み月見草
分かったような分からん様な、我々の親の一人での入浴は達者の証かも知れぬが
炎天に打って出るべく振る竹刀
暑い日のお出かけ前の素振りって汗掻いて困りません?
星明り光年のひとかけらかな
どうやら、星明かりもありのようですが、星月夜ほどの明るさは感じられません
会田比呂
砂場に残る靴の片方星月夜
さくらんぼ嬰の名入れの銀の匙
さくらんぼと匙は取り合わせが悪いのでは?
炎天下富士山の五合目迄のバス
五合目までバスでとかも
嘯ける形に散るらん花石榴
花の形が嘯いている口の形ということ
骨上げを待つ間の小食梅雨の闇
これを言われても、他人は些か戸惑うかも
笠原木瓜
炎天下燃ゆる金剛力士像
これは良く出来てますね
星月夜びしり瞬く過去と今
読み手が自分と同じ思考回路だと思わず、汎用性のある言葉を選んでください
湯気とばす会津の里の粟万頭
栗饅頭は焼き菓子、会津の栗饅頭は分からないし、季語にもならない
何事も許すと云ふか星月夜
心洗われるような気分になるわけですね
蝦夷菊や自由気ままに咲きほこり
それを言えば大方の草木はそうだな
堀江良人
山寺の参道のぞく星月夜
星月空の明るさが「覗く」?
炎天の川面をわたる風光る
風光るは春
炎天の渋滞を行く空タクシー
渋滞を行くのは矛盾してません?
炎天に街路の木陰黒々と
街路の木陰って、街路樹の陰だろうが街路樹ってのはあんまり俳句的ではないし
田の畔を白鷺歩む炎天下
中下に切れを作ってみました
野口英郷
星月夜仄かな風に涼みけり
涼は夏です
炎天に犬走り跳ねる雨蛙
普通ならじっとしている方が自然で、犬と蛙がともに活発に動いている光景は理解できない、あるいは境界の犬走りのことか?、雨蛙が夏、蛙が春
山の端に炎天の空澄み渡る
澄むは秋のもの、山の端は炎天の空には不要な添景かも
炎天の舗装道路に影揺らぐ
当たり前の光景でひと節が欲しいのです
部屋壁に跳躍飲み蚤が横並ぶ
飲み蚤は入力ミスだろうが理解不能
石塚信子
江戸風鈴透かす水絵の宝船
水絵?、どうかな?
星月夜延長戦の無観客
テレビ俳句だって分かるのも面白くない
保護犬に昏れる一日法師蝉
犬猫がさらに保護犬とまでなると社会派俳句かな
一つづつ空けて座す椅子梅雨の雷
そうではあるが、屋外かもと思うとどうかな
限り限りを狙ふ好投炎天下
夏の甲子園だろうがぎりぎり位じゃ好投とは言わないね
森利孟
炎天下スマホ画面が見えませぬ
形悪しきトマト失敬悪太郎
帰省子の舎監に声を掛けていざ
白南風や砂に打たるる左千夫の碑
山並を闇が塗り込め星月夜