8月のもう一言
利孟 |
蝉の殻貯め音だけの宝箱 |
芋虫の葉を喰ひつくし残す糞 |
熱きもの啜り寝冷えの腹癒やす |
タンク背に戦闘開始水鉄砲 |
今時の水鉄砲は面白いですよ |
闇踊り白きうなじが手を追ひて |
比呂 |
日雷閻王金の総入れ歯 |
総入れ歯が面白いかな、雷様と閻魔大王の取り合わせの着眼も良い |
踊り子の金の長爪ジヤワ更紗 |
これはホームランです |
芋虫や釉の剥落虫食手 |
そこまで発想が拡がりましたか! |
峨眉山に上弦の月船の影 |
月の舟が出てくるまで添削苦労しましたが発想はよろし、 |
遠流の島に和風のマリア鰯雲 |
遠藤周作の世界って感じかな |
聖子 |
校内放送に蜩の声昼休み |
旅役者夜の部前の盆踊り |
倒れたる鉢より芋虫によつきり |
自由律風だがもこれはおもしろい |
いつの間に入りし手真似踊りの輪 |
文月や入店度体温測られて |
まずビール!では無くて |
信子 |
世に変はる変はらぬものや蝉時雨 |
添削でいくらか分かり易いかも |
芋虫の葉つぱに葉つぱ色して肥ゆ |
実感ですかな |
同じ居て蚊の選り好む腕かな |
あるあるだけど、オナジイテはないな |
村挙げて踊る広場となりにけり |
月光へ翳す花影笠踊り |
月、花、踊りってまるで宝塚みたいな季語の羅列 |
ミヨ |
大雷雨山頂駅の人いきれ |
そこしか行き場も無く、ケーブルカーも動かない |
切つ立ての蒲の穂さはぐ薬研堀 |
難しい言葉が並ぶが分かってればそれなりに、薬研堀は具体的な地名でもいいかも |
苧殻焚くどつと吐き出す戦火の日 |
送り火と終戦記念日が重なるのは皮肉なことですが |
足長の真菰の馬のいそぎ来る |
そうですね |
寄せ太鼓夕飯そぞろ夏祭 |
夕飯そぞろ?、夏祭りって夜というより昼の感じ、縁日夜店だとそうなんだろうけど |
美恵子 |
踊り唄囃子がはやし闇が吸う |
回りの暗さに消えてゆくというのは分かるけど表現できなければ別の発想をしましょう |
鈴の音も揃って和楽踊りかな |
すっきりしています、「も」は他のことがある程度見えていないとですが |
芋虫や頭ふりふり葉を削る |
ふりふりが削るという動作とあっているかな? |
町ごとの囃子ぶっつけ秋来たる |
各地に囃子屋台やらのぶつけ合いという風習はありますね |
笠も手も手拭いも踊る和楽唄 |
モノの数が多いかな、手ぬぐい(テヌグヒ)も入れたかったのだが |
良人 |
盆歌を歌いつ踊る輪の一団 |
踊る笠はずす女のまるき顔 |
まるき顔ではあんまり色気を感じない、汗も季語とはなりますが無視しての添削です |
芋虫やアスファルト歩道を渡りけり |
思い切り遊んでしまいましょう |
輪踊りや後に戻るも進む列 |
普通のことを普通に詠めば良いが作りすぎて失敗 |
盆踊り矢倉に登る子等多し |
木瓜 |
風なくば風吸い寄せるすすきかな |
無いから風が必要とまでは言わないのね、鳴かぬなら鳴かせてみようとは違います |
若年の酸つぱき孤独青林檎 |
若年てのは人では無くて年齢ですね |
芋虫やいつぞ闇夜を飛び回り |
同じ事なのだが今を詠むということを意識して |
踊り歌気になる女子遠ざかり |
いまどき、オナゴなんぞと言う?、 |
白桃の脱ぎて水肌着て毛肌 |
水肌、毛肌など勝手な日本語造りは相変わらずで、しかも色気も感じられないし |
英郷 |
生ま暑く母に連れられ盆踊り |
インテリの強みは知識を取り入れる能力が高いと言うことにあるのですから、せめて歳時記で季語の勉強くらいしてください |
コロナ禍に踊り囃子も聴かざりき |
無いということを詠まないというのを先ずは心得てください |
盆踊り広場を彩る吊り電燈(デンキ) |
ヒロバヲイロドルは8音、ツリデントウは5音でよいです |
盆踊りユカタ姿はあの子かな |
アノコとかオナゴとか忙しいが、カタカナで書いても浴衣は季語ではあります |
犬走り青芋虫が這い渡る |
犬走りに再挑戦ですね |
昭雄 |
捨てられぬ漢の集ふ村祭 |
何を捨てられないのか? |
芋虫や少年ついに村を出る |
雰囲気はあるんですが、芋虫の少年が蝶にならんと旅立つのですかね |
時世より一周遅れ祭笛 |
流行り歌がないってことですかね |
芋虫を見つけて上る悲鳴かな |
いまや珍しいものという方が自然かも |
芋虫や隣は寝落つ二人の息 |
?、寝落ちって使わないでは無いけど、 |