3月のもう一言

利孟
咲き撓(をを)り触れなば落ちむ島椿
赤いガウン黒いガウンの卒業す
初蝶の日溜り出てはもどりては
母の歩に合はせ差しかけ春日傘
人呼んでおけら街道朧月
信子
啓蟄の空にくぐもる鳩の声
大股で去りし校庭卆業す
大股で去るってのは、もう居たくないみたいで卒業の雰囲気を壊す、防大の卒業式ならなおさら
春日傘道いくつ折れポストまで
そんなややこしい道を行くのか
面会の画像の笑顔麗日に
面会の画像で十分通じるとまでは言えなかろう、麗日は?
無防備な犬の寝姿桃の花
桃の花と合わせるほどのものか?、飼い主の勝手だが
ミヨ
蛍烏賊しこしこ噛んで密をさけ
時事的だが面白い
刃物磨ぐ小さき看板風信子
風信子でヒヤシンスを当てているが余り嬉しくない、つましい暮らしの窓辺の水栽培のヒヤシンスが見える
春日傘廓のありし路地をぬけ
廓というのはエリアで路地ではない、廓というと城郭ともなるし
位牌堂ひたすら詣づ彼岸かな
ひたすら位牌堂に詣でるというのが?
地震跡の校舎そのまま卒業歌
震災遺構の保存云々の話は難しすぎる
良人
親教師卒業子悲喜こもごもや
やを文末にと言うのは苦し紛れでしか無い、確かに親が教師で子が生徒みたいでもある
春日傘たたみて歩むアーケード街
街が余分、差して無くてもこれは良く出来た
卒業の歌に交えり鳥の声
交えるは他動詞でしょう
春日傘二荒の石段上りけり
フタラは日光でとか、二荒もニッコウと読むとか難しい
春日傘手にして土手の並木行く
差さずにいる春日傘、それで散歩?、素材が川縁多いね
木瓜
張り切らずされど縮まず紙風船
四月馬鹿運転免許自主返納
四月馬鹿って使うと自主返納は馬鹿のすることみたいになっちゃう
パソ通や立ち上げ鈍き春の宵
立ち上げは人の行為、ボヤッとするんじゃない!になるが、パソコンの始動が時間がかかるって話、パソ通なんて言う必要ある?
卒業やところてん式押出器
川柳でも今どき学校をこう言わない、天突き、この句ではところてんが季語とまでは言わないが
ほの字をば弾き飛ばさん春日傘
ほの字というのは本気で惚れているということ、それをはじき飛ばすってことは無いでしょ、
比呂
はればれと鳴く神鶏や初櫻
初桜があたまでもよいかな
利き酒や通ひ徳利に梅の花
利き酒だと通い徳利に酒が入ってるみたいで措辞がよろしくない
粒餡漉し餡蒸し饅頭春日傘
頭が重くなってしまって春日傘が効いてこない
証書番号二,三七一卆業す
面白い着眼
卆業や折り目の深き日章旗
日章旗は思い言葉になってしまったな
英郷
天ぷらのタラの芽さくつと歯に香る
さくとを歯に香るとしたのが面白いね
麗らかな卒業日和の木陰かな
季重なり、木陰となると夏の雰囲気
肩に掛けクルッくると廻る春日傘
春日傘の軽みは面白いが、肩に掛ける?引っ掛けてるみたい
タラの芽や鐘の音響く昼下がり
?が出てこないのでだろうが、カタカナはいかん
卒業で天と地の涯て見ることも
何を言いたいのか?、国家試験落第しての卒業でもあるのですか?
昭雄
会釈てふ程よき距離や春日傘
ディスタンスにつながる面白さがある
足元をきりりと絞る弓初め
足元を絞るとなって分からない
春日傘眩しきままに遠ざかる
面白いんだが、なにかしっくりこない、眩しいのは○
夏座敷王手の指の良く撓り
悪くないけど、いま出す句じゃ無い
春日傘夕日をつれて空つれて
面白いけど、夕方の日傘はおかしいでしょう、絵を浮かべて下さい