2月のもう一言

利孟
FUNAMURAと銘のあるフライ鱒を釣る
青饅や母より継ぎしうるい山
啓蟄や錠無きコイン精米所
初午や戸戸に自慢のしもつかれ
春の雪背にケットの調教馬
信子
磨崖仏残る寒さに石の町
残る寒さにしなければいけないのだろうが、原句では磨崖仏が残っていると読めちゃう
アクリル板テーブルごとの余寒かな
今時の様だけど、余寒が良い:比
啓蟄のひかり探るる大蚯蚓
を探りくらい/蚯蚓もはるだなあ:又
青饅や小指に掬ふ味加減
立春の富士を真下に一番機
一番機って編隊飛行?
聖子
啓蟄や浅瀬に鷺の陽をつつく
やで切ったとき下五の動詞を連用形で流すのが形
初孫のシールの手紙小春かな
みんな孫俳句が嬉しい歳になりました、たまの孫俳句は褒めてあげましょう
マフラーの少女の小さき闇に消ゆ
面白い、少女の小さな闇は?
青ぬたや宿に屋上露天風呂
ホテルも宿だけど、どうも木造に感じるのね>青竹垣の露天風呂
美恵子
饒舌なイケメン美容師猫の春
猫の春ね、この子ちょっと良いな!なんて思ったりするわけね
子離れや小声で一人豆を撒く
青ぬたの一箸ごとに祖母の味
啓蟄や日帰り旅行の雑誌買う
買わなくても分かるわけ/先の明るさも見えて:ミ
保護犬の鳴き声響く大寒や
保護犬が騒いじゃうと問題でしょう
ミヨ
青ぬたや古民家暮し皿小鉢
流行りの古民家店ということでは
水仙花根締め貝殻海を恋ふ
海辺の岬の水仙境はよくありますからね、水仙を生けるのは手間だけど
戸袋の暗あえかなる冬の虫
虫の息ですか/戸袋の暗さの中の虫:比
絵馬吊す風馥郁と蝋梅花
蝋梅が馥郁は月並みだな/
啓蟄や落ち生ふ洞の根張り様
英郷
温もるも男体山の薙ぎ光る
薙ぎで送り仮名を振れば動詞、当然名詞のナギでなければならないし、名詞で止めたい
天温み何時ものカタクリ盛り上がれ
啓蟄に青空抜けて温き土手
啓蟄には当然ぬくいは入っていますよね
青饅のちょっぴり酸っぱさのひろごれる
透き通る空も温もる戸室山
もは使わない
比呂
赤い靴紐赤き自転車春の雲
靴紐が印象的だったのだろうが、言わなくても
青饅や不意の酔客泊りたる
不意の酔客に青饅はすぐには無理だろう?
春立つやぴんと跳ね上げダリの髭
土のやうなる土鳩の声や水仙花
土のようなは、土鳩のことで声じゃ無い訳ね
啓蟄や人喰ふ蓼の色しらず
蓼食う虫からですか?
良人
啓蟄や風に押されて地虫出づ
啓蟄が二つは要らない
啓蟄や大地ひかりて温もりぬ
青饅や貝の剥き身の舌ざわり
まんまだな
啓蟄や南天の陽の眼に痛し
南の空?、それとも木?
啓蟄や鶏の啄み激し
この句またがりの破調は無理、虫が出て来たからって、ちょっとやりすぎ/鶏も元気良くなってという姿が:石