3月のもう一言

利孟
日時計の影の反転春行けり 比ミ美友
影の長さが変わるし:美/
しやがみ込む子の顔寄せてチューリップ 比石美
可愛らしい子:石/
牡丹の芽紅き産毛をほどきつつ 比友
バラ、芍薬などもだが、産毛をほどくが良い:友/
防虫の空の小袋雛飾る 比石美◎
一年経つと、面白い:石/一年一辺の行事になるほど:美/
菱餅の真空パックに賞味期限
青竹の笊に盛られて桜餅
彼岸会の大戸を開き入れる風
ともこ
ゆらゆらと横向く癖の貝雛 利☆ミ
北限の八溝茶畑浅き春 利○比◎石ミ美
分からない人も多いだろうけど/北限で、浅き春の雰囲気:石/一句一章がうまくはまっている:比
パステル画伸ばす指先春の風 利○比石ミ
パステルを指でのばす:石/如何にも春らしい:比
ビル窓の砕けるひかり春疾風 利○比
ビル窓の砕ける・・ガラスが割れる??
石段の上りのつづく桜東風 利○ミ
石段を登り続けて なども
白と黒餡に戸惑ひ桜餅
戸惑いって、いささか観念的
春ともし両手に嵌る文庫本 比◎
嵌まる?分かるような気もするが/寝転がって:比
ミヨ
真榊を手折る片手や彼岸路 利○
シクラメン開花の数多うつむきて 利○
独り言たまりたまりて彼岸西風 利○
古網戸ひねり来る子猫かな
三輪車どうどうこぎ出す福寿草
根もと割れ梅の大木ほろほろり
仏壇の蝋燭たるる彼岸入り
蝋涙
小流れのひとところ花いかだ
ぼた餅の握り大きめ彼岸入り 利比
ぼた餅は大きいなと思います:美/
比呂
陽春の台場大砲口開けて 利○友◎
ぽかぽかの日射しに口開けてが良い:友/
頬紅の薄れ傾く享保雛 利○美
なるほど:美/
風光る鶏小草啄ばんで
コグサまで言わんでも
チユーリップ回転木馬の試運転 利石ミ◎美友
試運転が良い:石/チューリップと回転木馬のとりあわせ:美/回転木馬とのとりあわせが良い:友/
春風や雲の上にも雲流れ 利友
雪の果伐採音の遠谺 石◎友
雪どけの頃の雰囲気:石/伐採音で正しいのだろうが響きが悪い
まんさくや山の中腹なぞへ畑
一番に咲く花が山中腹に:石/
信子
サハリンの風哭く宿の雛飾り 利○比◎ミ
海朧シーラカンスの潜む海底(そこ) 利○比◎
雛の家勤め帰りの道灯し
夕桜病後の汁の汲み豆腐 利比
汲み出し豆腐、病後とかあんまり
子に吾に此処は故郷桜餅
独りよがり
ひと雨に潤ふ木々や桜餅 比美友
あたりまえ
赤は赤黄は黄誇らしチューリップ
美恵子
春風を入れてドライブ菜っ葉飯 利○
前置きは包装紙の香桜餅
咲き終えて葉の美しき晩春や
やを下句に使うことは少ない
出産の思ひ出話し雛飾る
俳句に難しい:比
校舎前風にスイングチューリップ
石段に記憶それぞれ寄付の雛
次の葉を包み上へとチューリップ