9月のもう一言
利孟
はち切れること待つ蕾花桔梗 比美◎
蕾がぷっくり:美/
台風来御身震はせ磨崖仏 比石
台風、突風などなど:石/
朽蔵を開ければ止みて鉦叩き 比石美
その瞬間が:石/開けたらビタリ:美
秋暑し郵便バイクの電子音
最近は、バタバタ云わせずにシューッときますよね
もう一ついかがだなんて酔芙蓉 比◎
秋麗らアルミ脚立に足かけて
樽洗ひ漬け込むばかり秋茄子
ミヨ
畝たての鍬一時休み鐘たたき 利◎比石美
風景が良い:石/涼しくなると昼でも泣きだすようになります:美/
風に日に軒の芋茎の仕上がりぬ 利◎比友
鳥小屋の扉半開秋うらら 利○比○石友
鳥小屋というと、鷹なんぞの鳥屋とも読めるので:利/鶏がそこらに出てもいて:石/
放し飼いの様子を思い出して:友/
咲きのこる小さき桔梗や空の青 利○
原句だと、やで切れているものの桔梗の色が空色ですみたいでもあり
開田の仮小屋今に鐘たたき 利○
すり傷や酸橘の刺に引っかかり
酢橘の実もいで掻かれて腕の傷
秋なすび風下ぶくれ取り残す
比呂
秋暑し押印滲む引き継ぎ書 利○石友
引継書が曖昧:石/
点滴につなぐ玉の緒秋の蝉 利○石
命を繋ぐ意も含めて玉の緒ね/点滴がポタポタ落ちてくるが、外には蝉が:石/
鳥渡るゆったり進む島時間 利○美
セカセカした都会
ボッカ道隠れ群生沢桔梗 利○石○友
サワキキョウって歳時記の桔梗の例句にあるけど別物ですから、隠れるくらいの幅なら径がよかろう/
牧歌的風景:石/
がくがくと揺れる素戔嗚尊秋祭
山車なら揺れ来るとか、神楽では動きがおかしい
夜泣きの子部屋の闇より鉦叩き
子供が泣いてる、虫が鳴いてるふたつも情景があるのは面倒すぎる
秋うららピカソ展出るピカソ顔
面白いから:友
信子
水切りの石のトトトン秋高し 利◎友○
トトトとなんてすると、トンで終わるより更に向こうまで行く感じになりますけど
はや朝日射し込む窓やつくつくし 利○比
秋茄子の愛し小尻の濃むらさき 利比
愛し?、丸きくらい
りんどうに山の雲飛ぶ那須野原 利比
庭畑の初秋ハーブへそよぐ風
土曜日の土曜日時間秋うらら 利比
糸とほす針の刺股法師蝉
刺股なんて言っても分からない、双股といっても難しい、読み手に伝わらないものを、
そんなこと言ってもそうだからってのは俳句詠みの姿勢ではない
ともこ
秋うららスケボーばたんと一回転 利○美
キックフリップ、スケボー板を一回転/スポーツの秋が今風:美/
鉢並ぶあたりに響く鉦叩 利○美
鉦だから響くのもありか、響いているのはなにか?という切れ/どこからの実感:美/
さらさらと風のそよぎや紫苑咲く
風が、紫苑が、それぞれのそよぎもあろうけど
鳥渡るかつて屋上遊園地
屋上で見ていても、屋上を見上げていてもなるほどです
白と紫の桔梗咲く百花園
甲州路すり鉢状の葡萄棚 比◎美
葡萄棚がすり鉢状に組まれているって読めますね:利/風景の状況:美/龍太を思い:比
秋茄子の傷を切り取りお味噌汁
美恵子
秋麗や木の香吸い込みウォーキング 利○
吸ひ
嵐去り陽が射し桔梗の青冴へて 利○
冴ゆる空よりって歌あるでしょう
栗ご飯炊き帰へり待つ古時計鳴る 利○
帰り待つとか物語性を詠み込むのは短歌の世界、古時計がボンボン鳴って、栗ご飯が炊き上がっている、
さあどういう状況か?を読者が拡げるのが俳句
ドビュッシーをヘッドホンで聴く夜半の月 利○
嵐あと銀杏拾う火挟で
火ばさみ使うだろうが
長袖で夕餉の秋茄子畑に採る
くらい、長袖までだと農作業
秋茄子を仏壇に供へ夕餉なる