銀河通信37号

社会保険・労働保険退職者向け実務説明用
 

平成17年6月吉日
社会保険労務士 森 芳樹
電話0586−69−6236
FAX0586−69−7716

会社の退職に伴い必要となる社会保険制度】
、医療保険
@ 健康保険の任意継続被保険者制度
 退職予定日の1週間前くらいに住所地の社会保険事務所へ行き、所定の用紙(健康保険任意継続被保険者資格取得申請書・健康保険扶養者異動届・生計維持証明書・・民生委員に証明もらう)に記入し申請しますと後日通知書が自宅に送付されるので、通知書記載の日時に住所の社会保険事務所へ健康保険証を受領に行く。申請時には申請書の控えに受付印を必ずもらう。
 任意継続被保険者制度への加入申請手続きは在職中でもできますが、保険証が交付されるのは、会社が所轄の社会保険事務所へ喪失届けを提出してからとなります。その際、健康保険料を支払う。
任意継続被保険者制度への加入手続きの際、持参するものは、印鑑と運転免許証などの身分証明書です。直前勤務先の健康保険記号番号の記入が必要です。直前事業所の健康保険記号番号は、カード式健康保険証の表面に表示がありますのでコピーしてあると便利です。       例えば、港いろは 222
被保険者期間が2か月以上あれば任意継続被保険者となる資格が生ます。任意継続被保険者の保険料の上限は、標準報酬月額28万円です。給料50万円だった人も、給与28万円に対応する健康保険料の支払いとなります。
任意継続被保険者の場合、会社勤務時代と同じように本人のみでなく扶養家族にカード式健康保険証が交付されます。
会社退職後2年間は、会社勤務時代と同じ内容の医療保険に加入できます。扶養家族の増減も当然できます。
手続きは、資格喪失日を含めて20日以内です。最終日が休日の場合は前日までとなっています。
あなたの退職日は  年  月  日。資格喪失日は  年  月  日。
あなたの任意継続被保険者制度加入最終日の20日目は、  年  月  日です。
この期間内であれば、健康保険証に切れ目が生じないよう遡り、健康保険が適用されます。この期間を経過すると任意継続被保険者にはなれません。保険料の支払いは、社会保険事務所から送付される所定の納付書で毎月10日までに支払う。
毎月10日までに支払わないと任意継続被保険者資格がなくなります。
資格喪失後の給付
退職日以前に1年以上被保険者期間のある者は任意継続被保険者となった後も、病気で働けない場合には、社会保険事務所に対し傷病手当金の請求が出来ます。退職後病気で働けず、失業の認定がなかった場合には、所定期間内に失業給付の受給資格期間の延長申請を行い、病気がなおり、働けるようになったときに失業給付の請求をします。
A 死亡に関する給付 。次の場合は、埋葬料か埋葬費が支給されます。 
(1) 在職中及び任意継続被保険者となった後も傷病手当金を受給していた人が死亡したときなど。
(2) 被保険者が資格を喪失して3か月以内に死亡したとき
B 出産に関する給付
退職日以前継続して1年以上被保険者であった人が資格喪失の日後、6か月以内に出産をしたときは、被保険者として受けられる出産育児一時金及び出産手当金が受けられます。
70才未満の者(上位所得者・低所得者世帯を除く)の病院窓口負担額の自己負担額は3割です。自己負担額が、72300円+(かかった医療費×1%)=C。Cを超えた金額は高額療養費として所轄の社会保険事務所へ請求できる。
高齢受給者証
任意継続被保険者のうち満70才以上75才未満の被保険者および被扶養者には高齢受給者証が交付されます。
 70才以上75才未満の者が
病院の窓口で健康保険証に加え高齢受給者証を提示しますと、医療費の自己負担額が3割から1割若しくは2割へと軽減されます。1割か2割かの区分の基準は次の通りです。標準報酬が28万円以上の者は医療費の自己負担が2割です。28万円未満の者は1割です。標準報酬が28万円以上の者でも、扶養家族が1名以上いる場合に前年以前の収入が621万円未満であること、もしくは扶養家族がない場合には、前年以前の収入が484万円未満であれば医療費の自己負担額は1割です。それ以上ありますと、医療費の自己負担は2割となります。毎年8月に前年分の収入報告をもとめられ前年の収入(年金・給与)と所得(家賃収入など)の合計が621万円または484万円未満に減少していれば9月2分から医療費の自己負担額は1割に改定されます。標準報酬が28万円以上で前年収入・所得が621万円または484万円以上の者は、窓口払い医療費自己負担は2割と変わりませんので報告は不要です。収入(給与・年金)及び所得(家賃収入)が621万円又は484万円以上であっても退職時の標準報酬額が28万円未満の場合には、医療費の自己負担額は1割です。
任意継続被保険者期間中、医療費の窓口払いの金額を1割負担とするには、70才到達時の標準報酬額を28万円未満にあらかじめ設定していることが必要です。
70才以上75才未満の高齢者の窓口自己負担額(1割または2割)についても、一般の場合(低所得者、高所得者を除く)40200円(入院を含む)、通院のみの場合12000円を上回る金額は高額療養費として社会保険事務所へ請求できます。
健保・国保の窓口負担は、70才以上のものは原則1割、高所得者2割、70才未満は一律3割、3才未満は2割となっています。自己負担限度額は、70才以上75才未満(高所得者と低所得者を除く)のものは、入院伴う場合40200円、通院のみは12000円。70才未満の場合には、72300円+(医療費×1%)=C。3才未満は2割です。
 

銀河通信38号

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平成17年6月吉日
社会保険労務士 森 芳樹
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会社の退職に伴い必要となる社会保険制度】
、医療保険
A国民健康保険制度。
国民健康保険証は、負傷、疾病の原因を問わず行使することのできる24時間安全保証の医療保険です。交通事故による負傷、暴力行為による負傷など第3者行為による災害にも行使できます。日本国民で職場保険に加入していない人は、すべて国保に強制加入することになります。健康保険の任意継続被保険者は、退職後2年間が限度のため、それ以降は国保加入となります。
国民健康保険制度への加入手続きは、住所地の市町村役場国民健康保険係で行う。
健康保険の資格喪失日に遡り加入手続きできる期限は、
資格喪失日から2週間以内です。
この期限を過ぎますと、遡り加入することはできず手続きをした日が加入日となります。
医療機関に通院している人のいる場合は、2週間以内に手続きすることが重要です。
国民健康保険料額は、資産、被保険者数、所得により決定されます。保険料がいくらになるかは市町
窓口で聞くと教えてくれますので質問をすること。
国保料金の計算方法
 所得割 加入者それぞれの前年中の所得−基礎控除33万円=7.3%
 資産割 加入者の今年度の固定資産税額(土地・建物)
 均等割 一人につき  27000円
 平等割 一世帯    28000円
    国保の年税額は所得割+資産割+均等割+平等割の合計額です。
    国保税の納付月は、5月、7月、9月、10月、11月、12月、1月、2月の8回です。
    満40才から満65才未満の者は国保料と介護保険料を合わせて支払します。
    国保税額の上限は所得800万未満の場合51万円です。800万円以上の場合には52万円が限度額となっています。
国民健康保険制度には、任意継続被保険者制度のような所得保障(傷病手当金の請求)はありません。
医療費の窓口自己負担額は3割です。
加入の際、持参するものは、印鑑、身分証明書(運転免許証)、健康保険喪失連絡票など。
家族で国民健康保険証をもっている人がいる場合には、その国民健康保険証に追加記入をしてもらう。
国民健康保険証は1家族1枚が原則です。
満70才以上75才未満の被保険者および被扶養者には高齢受給者証が交付されます。
病院窓口の自己負担額が1割か2割かの区分の基準は、70才以上の被保険者が2名以上いる場合には前年以前の収入が621万円未満であること、被保険者1名の場合には、前年以前の収入が484万円未満であれば医療費の自己負担額は1割です。それ以上収入がありますと、病院窓口での医療費自己負担額は2割となります。毎年8月に前年分の収入報告を市町村役場から求められます。前年に較べ収入が減少し、自己負担額が2割から1割への変更された場合には、9月分から実施されます。
満75才になりますと老人健康保険証が市町村役場から交付されます。
交付がない場合には市町村役場の国民健康保険係に請求してください。医療費の窓口自己負担額1割か2割かの区分基準は、満70才から75才までの被保険者と同じ条件です。
満65才以上の者には、市町村役場から介護保険証が交付されます。交付がない場合には、すぐに市町村役場の介護福祉課に請求しましょう。介護保険証の使用は、要介護状態となった時必要ですが、高齢となっても健康であれば使用することはありません。介護保険料の支払いは、会社勤務で健康保険に加入している人の場合には、満65才未満まで給与から控除され、会社から社会保険事務所経由で市町村役場に支払いされます。満65才になりますと会社勤務であろうと退職者であろうと社会保険庁から支給される年金から源泉徴収されます。満65才未満の国民健康被保険者の場合には、国民健康保険と一緒に介護保険料が
控除されます。国保の限度額52万円。介護保険料の限度額7万円。
高額療養費の請求。高額療養費とは、同じ病院や診療所で支払った1ケ月の医療費が、70才未満は72,300円を越える場合には、その額が、手続きをすれば戻ってくるという制度です。70才以上の自己負担限度額は細かく区分されています。
退職者医療制度とは、会社などを退職した方その扶養家族の方が、所定の条件を満たしている場合に対象となるものです。
退職者医療制度の手続きは、年金を受給し、年金証書が届いてから手続きをしてください。
A国民年金制度
会社を退職した場合、医療保険について、国民健康保険又は健康保険任意継続被保険者となった場合には、国民年金に加入します。離職を理由とした場合は、離職票や雇用保険受給者証を添付すれば、所得が基準以上でも特例として免除となります。しかし、雇用保険の適用のない事業所を離職された場合は、上記の離職証明書類を添付できません。そこで国は上記書類の添付が無くても、納税通知書や事業主の証明等でも特例免除の対象となるよう、取扱いを変更しました。免除申請した場合、免除期間中の老齢基礎年金は納付した人の1/3となります。免除申請した期間については、10年間遡り、国民年金保険料を追納することができます。
 

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退職者の雇用保険制度に基づく失業給付金など】
1、失業給付金の受給資格者
雇用保険の被保険者には、一般被保険者と短時間労働被保険者の2種類があります。
一般被保険者とは、1週間の労働時間が30時間以上になる者をいい、20時間以上30時間未満の者は短時間労働被保険者といいます。失業保険金を受けることができる人とは、一般労働被保険者の場合、離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数が14日以上ある月が6か月以上あること。短時間労働被保険者の場合は、離職の日以前に賃金支払基礎日数が11日以上ある日が通算して12か月以上あることが条件です。6か月未満で離職した場合でも他の離職票と合わせて6か月以上の被保険者期間を有する場合には、受給資格を満たすことになります。
2、受給資格認定などの手続き
失業給付を受けるための手続きには、以下のものが必要です。
@離職証明書の1と2、A運転免許証か住民票、B印鑑、C所定の大きさの顔写真1枚、D普通預金の通帳。なお、雇用保険被保険者証がない場合でも受給資格認定手続きは可能です。
以上の書類を持参し、ハローワークに行き、求職の申込をしますと、10日から2週間以内にハローワーク主催による離職者向け説明会が開催されます。この後受給資格者証が本人に交付されます。この後は4週間に1回失業の認定日にハローワークに行き、所定の失業認定を受けることにより、失業給付金が登録申請した銀行口座に振込みされます。
3、失業給付の基本手当の受給
基本手当(求職者給付)は今まで働いていたときの「賃金日額」によって決まります。賃金日額は離職前の6ヶ月間に支払わ
れた賃金の合計を180日で割った金額です。退職金や賞与は含まれません。この賃金日額に所定の給付率を掛けたものが基
本手当日額になります。給付率は賃金日額が低い人ほど高く設定されています。賃金日額X給付率(45%から80%)=基
本手当日額。基本手当日額はその最低額と最高額が決められています。最低額は1,712円。最高額は受給資格に係る年齢に応じて次のように区分されます。30歳未満6,580円。30歳以上45歳未満7,310円。45歳以上60歳未満8,040円。60歳以上65歳未満7,011円。
給付率は以下のとおり。60歳未満は2,140円以上4,210円未満 80%。4,210円以上12,220円以下 80%〜50%。12,220円超 50%。
失業給付の基本手当を受給するためには、住所地の公共職業安定所へ行き、所定の求職申込と受給資格認定申請手続きをします。離職証明書の有効期間は退職日の翌日から1年間です。会社を自己都合で退職した者については、基本手当の支払されない給付制限期間が3か月あります。しかし、会社を解雇された者、会社の倒産により離職を余儀なくされた者は、雇用保険法上は特定受給資格者となり、給付条件が自己都合退職者と比較し好条件となっています。基本手当の所定給付日数が一般の場合に較べ長期間となります。また、待機期間は所定の手続きの申込をしてから7日間で、8日目から失業給付金が支払いされます。失業の認定は4週間に1回です。定められた認定日に失業の認定手続きをしない場合には、失業給付は行われません。失業とは働く意志と能力があるにもかかわらず職につけない場合をいいます。失業の認定とは働く意志と能力の確認作業です。働く意志とは、すぐに働ける状態にあることです。職業紹介があった場合、面接に行くなどで働く意志の確認作業が行われます。働く能力とは、健康で職務遂力があると判断できる状態にあることです。病気の場合には、失業の認定はされません。病気などで働けない場合には、働けない状態が30日経過後1か月以内に受給期間の延長の申請手続きをします。これにより、1年に加え最大3年間離職証明書を有効にすることが可能です。こうしたことが予想される場合には、健康保険の任意継続被保険者となることにより、傷病手当金を請求する資格を有することが何よりも大事です。妊娠・出産・満三歳までの育児・親族や介護で勤務出来ない場合にも、離職証明書の期間の延長は出来ます。60才以上で定年退職した人の場合には、一定期間再職を希望しないときは、退職日の翌日から2か月以内に、ハローワークに申請することにより、最長1年間は受給期間を延長することができます。妊娠の場合、出産予定日の産前42日、産後56日の間は、失業給付は行われません。
4、就業手当
なお、就職促進給付として、安定した職業に就業した場合に再就職手当金が支給されますが、不安定な就業についた場合には、再就職手当金は支給されません。不安定な就業についた場合には基本手当日額の3割が就業手当として支給されます。就業手当が支給されると基本手当が支給されたとみなされ、支給残日数は減少します。
5、再就職手当
再就職手当は、退職理由が解雇、倒産など給付制限のない人の場合には、求職の申込をし、説明を聞き、受給資格認定を受け、7日間の待期期間満了した後の8日目以降、自助助力、縁故採用などで就職が決まり、所定給付日数の1/3以上残っている場合に再就職手当を請求できます。
自己都合退職者の場合は、受給資格認定後7日間の待機期間満了後、3か月の失業給付の給付制限を受けます。給付制限の1か月間については、ハローワークの紹介した就職先で採用が決まった場合にのみ、再就職手当の請求ができます。給付制限1か月以内に就職先を自分で探した場合とか縁故採用の場合には、再就職手当は請求できません。給付制限が1か月を超えた場合には、縁故採用、自分で就職先を決めても再就職手当は請求できます。
受給資格者が安定した職業についた場合において、就職の日の前日における基本手当の残日数が所定給付日数の1/3以上で、かつ、45日以上ある場合に支給されます 。再就職手当の額=支給残日数×30%×基本手当日額
再就職手当の支給対象のうち、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合
早期再就職者支援基金事業による早期再就職支援金(所定給付日数の支給残日数に40%を乗じた額を支給)が支給されます。この場合、再就職手当は支給されません。