社会保険労務士 森 芳樹
 
個別労働紛争の解決処理機関】
法律は憲法に基づき制定される。特別法の規定は一般法の規定に優先する。紛争とは、一方の当事者の主張と他の一方の当事者の主張が相違する状態のことをいう。個別労働紛争について次の法律が制定された。
個別労働紛争関係の解決の促進に関する法律
 
●個別労働紛争の公的解決処理機関
【裁判所】
裁判所の民事部門、労働審判制度、(以上裁判上の紛争解決機関)
裁判所の調停機関(ADR、裁判外紛争解決機関)
 
裁判所以外の公的機関いわゆるADR機関その1
総合労働相談センターでどこの個別労働紛争処理機関が目的にかなうか相談する。
総合労働相談センターは労働基準監督署内に設置されている。
 
1、都道府県の労働局の紛争調整委員会
紛争当事者である労働者または事業所は、所定のあっせん申請書に求めるあっせん事項と求めるあっせんの理由、紛争の経緯を記入し申請する。
1ヶ月以内で処理される。紛争当事者1人につき1回の調整委員会が開催される。
正社員の解雇事件・有期労働契約の労働者の雇止め事件の他、セクハラ事件も取り扱っている。
 
2、都道府県の労働委員会〔県庁内に設置されている〕
 労働組合法などを根拠とした労働紛争処理機関。団体労働紛争と個別労働紛争を扱う。繰り返し委員会が開催される。
 
3、都道府県労働局の均等室主催の紛争調停会議
 男女雇用機会均等法を根拠とした紛争処理機関で、一方の申し立てのみで相手方が調停に応じない場合でも調停は開始される。その場合調停委員の提示した調停案に相手方が応じない場合には、不調となる。繰返し調停会議が開催される。
採用後の職場配置、職業訓練、昇給、昇進などで女子であることを理由とする不当な差別があった場合の事件を取り扱う。募集時の女子の差別(この場合は、法律でしてはならないことをした不法行為を理由として裁判所へ訴えることができる。ただし、罰則規定はないので民事事件のみの取扱となる)は取り扱わない。セクハラ事件も取り扱わない。
 
4、都道府県労働局長の助言指導
 不法行為のある場合には、労働者の申し出に基づき労働局長の助言指導により紛争が解決する場合もある。労働基準法違反がある場合は、労働基準監督署の監督官による司法処分がある。
 
●個別労働紛争の民間解決処理機関。ADR機関その2
1、法務省が認証し、厚生労働大臣が指定した団体。平成19年4月スタートの予定。