社長が事故に遭遇し、負傷した場合の社会保険の適用について
 
交通事故の場合
1、業務上または通勤途上
 業務上、通勤途上で交通事故に遭遇し負傷した場合、労災に特別加入している社長は、労働者災害補償保険が適用になり、自賠責保険、自動車任意保険で補償されない領域は、労災で補填をうけることになります。例えば、相手方に過失がなく負傷した自損事故の場合自賠責保険、自動車保険は適用になりません。しかし、労災保険は過失を問いませんので、労災は適用され給付(医療給付、休業給付、障害給付、遺族給付)が行われます。
 
2、業務外
 夜とか日曜日など業務に関係のない時間帯に交通事故など第3者行為により負傷した場合、健康保険により請求に基づき給付(医療給付、傷病手当金、障害年金、遺族年金)を受けられます。労災に特別加入していない社長については、通勤災害に健康保険が適用になります。
 
3、交通事故で、自賠責保険が使えない場合は、最初から、業務上であれば労災保険、業務外であれば健康保険を使用します。保険会社が支払いを渋る場合は、保険会社など相手にせず、加害者本人に対し、損害の賠償請求をします。費用のかからない方法としては、裁判所へ交通事故調停事件の申し立てなどの方法があります。
 
4、平成18年5月現在、健康保険の被保険者数が4人未満の法人の社長は、業務上の負傷・疾病等については健康保険が使用できるようになっています。健康保険の被保険者数が5人以上の法人の社長の場合は、上記の適用はなく労災保険に特別加入していないと業務上の負傷に要する費用は自費となります。
 
社会保険労務士 森 芳樹