平成  年  月  日
事業主・退職者各位
                       
                       社会保険労務士  森 芳樹
退職後の社会保険・労働保険の適用について
 
1.健康保険
@任意継続被保険者制度
健康保険の被保険者期間が2カ月以上ある人は、退職後も引き続き2年間は個人で健康保険の被保険者となることができます。この場合、保険料は全額自己負担となります。保険料は、退職時の標準報酬月額か、今まで属していた保険集団の標準報酬月額の平均額30万(保険料毎月25,500円)のいずれか低い方が掛け金となります。尚、この場合、毎月10日の保険料納付期限までに保険料を納めないと、翌日に資格を喪失してしまいます。これを任意継続被保険者制度といいます。ただし、55歳以上で退職した人については60歳になるまで5年間、任意継続被保険者となれます。健康保険の内容は、勤務中とまったく同じで、家族も被扶養者とする事ができます。任意継続被保険者になるためには、資格喪失後20日以内に「健康保険任意継続被保険者資格取得申請書」を保険者(所轄の社会保険事務所又は、所属していた健康保険組合)に提出しなければなりません。被扶養家族のある場合は、被扶養者届を添付して下さい。退職が確定している場合は退職予定日の1週間位前から受け付けしてくれます。
 
 
A継続療養の給付  制度が廃止されました。
 
 
 
B傷病手当金
 健康保険被保険者資格喪失後も、個人で1年6カ月の間は所轄の社会保険事務所へ傷病手当金の請求をし、給付を受けることができます。退職後の請求分については、事業主の証明は不要です。任意継続被保険者も1年以上被保険者期間があれば、資格喪失後も傷病手当金の請求ができます。
 
 
C出産手当金・分娩費
 被保険者の資格を喪失したときに、1年以上被保険者だったひとは資格喪失後6カ月以内に出産した場合は、出産手当金・分娩費が支給されます。任意継続被保険者の場合も、1年以上被保険者であった場合は、資格喪失後同様に支給されます。事業主の証明はいりません。
 
 
 
 
 
2.雇用保険
 退職後の失業給付、再就職手当の支給については、みなさまご存じのとおりですが、病気、けがで働けない場合について、所轄のハローワークへ求職の申し込みをしてから、病気、けがで働くことができなくなった場合は、失業給付にかえて傷病手当が支給されます。求職の前に病気・けがで働くことができない場合は、ハローワークは、働く意志はあっても能力なしとの判断により、求職の受け付けをしてくれません。この場合、離職証明書は通常離職後1年間有効ですが、病気・けが・出産などで働くことができない場合は3年間期間の延長をすることができます。期間の延長は、離職後所定期間内にハローワークで手続きをしなければなりません。
 
 
3.労災保険
 退職後の給付は、その病気・けがなどが在職中に生じたものであれば、退職後も、療養の給付・休業補償の請求ができます。この場合は、事業主の証明不要です。労災給付は、医療給付・休業補償給付・障害補償年金給付・遺族補償年金給付があります。
 
 
4.厚生年金
@第4種被保険者制度
 厚生年金の被保険者期間が10年以上あり、昭和16年4月1日以前生まれの人でかつ昭和61年4月1日現在厚生年金の被保険者であり、被保険者資格喪失まで引き続き被保険者資格のある人は、第4種被保険者となり、厚生年金のみで20年もしくは40歳以上(女子は35歳以上)の場合は15年の期間を満たすまで被保険者となることができます。厚生年金で20年(40歳以上の場合15年)以上あれば、老齢厚生年金に加給年金がつくようになり、また、遺族厚生年金の額もそれ以下の被保険者期間に比べ著しく増えます。