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松本 俊樹(TOSS兵庫播磨むしあなごの会)
2000年10月26日(木)明石での学級経営講座でのテキストとお話しした内容です。学級経営の出会いの場面と日頃の学級経営を見直してみましょう。
1 4月1日、新学年スタート。 新しいクラスの名簿とはんこをいただく。
子どもたちに出会うまでに準備していく中で1番優先させるとは何ですか。
*名前を覚える。児童の写真が手にはいるのなら顔と名前を一致させる。
出会いの日、名簿を見ずに次々に児童名を読んでいく。
2 新学年からのであい3日間は「黄金の3日間」といわれています。
3日間にしておかねばならない大切なことを3つ程度お書き下さい。
*ア 組織作り(1日の流れをイメージする)
イ クラスのルールを作る(教師が叱るときの3原則)
ウ 授業をする(1日目から授業する。たとえ2分でも3分でも。)
3 松本は「学級経営の中心は授業である。授業しかない。」と考え実践し
ています。具体的にどんな授業にしていけばいいのでしょう。
*知的な授業
*エネルギーを最大限に発揮できる授業
*討論の授業
*リズムとテンポのある授業
*向上的変容のある授業
4 子どもの前に立つとき、「笑顔」は大事です。
どちらの意見に賛成ですか。
ア「上手に笑顔が出来ないから鏡の前で練習すべきだ。プロとして当然だ。」
イ「教師はありのままの自分を出せばいい。練習は不要。」
*松本はアです。
向山先生も有田先生もア。
5 そうじ指導で大切なことを一つあげるとすれば何でしょう。
*教師が率先してそうじする。
率先してそうじするからこそ見えてくることがあります。
ア 熱心にそうじする子ども
イ 道具の不備
ウ 謙虚さと感謝
6 2学期スタート前に準備したことは何ですか?(夏休みの終わり)
3つ以上(?)お書き下さい。
<新学期前日に何をするか・・・松本の場合>
(1) 教室そうじ
(はく・机拭き・黒板を清める・トイレそうじ・棚ふき・靴箱ふき・電灯ふき・窓拭き・・・)
机を拭くと不思議に子どもへの思いがメッセージとして浮かんでくる。
トイレをそうじすると子どもへのいとおしさと期待があふれてくる。
黒板を清めると教師魂が沸々とわき出てくる。
(2) 黒板にメッセージ
2学期への願いを記す
メッセージに秘密(隠れメッセージ)や問いかけ(秋をいくつ見つけた?)
や指示(提出物やしておくこと)をかいておく。
(3) 花を飾る(松本学級の場合花びんに10個・・・いきなり無理なのでせめて2つくらい)
(4) 配布物を机の上に配っておく。
学年通信や学級通信や給食便りや保健便り・・・あらかじめ配っておく。
ホッチキスで綴じておく。初日の貴重な時間を有効に使うためにも。
(5) 教科書やスキルを配布しやすいように準備しておく
ひもでくくられたままでは時間のロスが生じる。
きちんと人数分確かめて手早く配布できるように準備。
スキル(ドリル)は初日の朝までに机上配布。
(6) 掲示物を少し
旅行先で的入れたポスターや秋に関する名画など。
私は沖縄で手に入れた「平和の礎」ポスターを掲示。
「何なのか」が2学期以降の追究課題になるだろうという布石。
基本的には4月の1日目と同じ気持ちで挑む。だからこそ楽しみ。
子どもたちの変化変容が。
7 運動会練習で大事なことは何でしょう。
(してはだめなこと)
<松本の運動会練習の10原則>
(1)練習計画を立てる
綱引き指導には20分間の2回必要など。
(2)練習の流れを示せ
(3)時間を守る
チャイムが鳴ればはじめる。そろってなくてもはじめる
チャイム前に終わる。
(4)個別評定せよ
(5)物を用意する
綱引き練習には綱を出す。
玉入れ練習にはかごと球を出す。
(6)指揮者に任せる
指揮者の指示を繰り返すな。
(7)練習後の授業に練習を引きずらない
休み時間に教師も着替えて何喰わぬ顔で授業をする。
「暑かったねぇ」などといってはならない。
子どもたちが着替え中でも授業をはじめる。
(8)説明をしない。やってみせやらせて見せる。
(9)教師の言いたいことは子どもに言わせる
「練習の感想を言いなさい」の指示で子どもたちに言わせる。
(10)・・・・・・・
8 していますか?していませんか?賛成?反対?
している・賛成○ していない・反対×
<学級経営チェック30 松本の解は( )内に>
(1) 朝、連絡係が教師を待っている。(×)
子どもの貴重な時間を奪うな!予定は予定黒板に示せばいい。
(2) 朝の会と終わりの会をしている。(×)
「していません。」
(3) 授業はじめにはいつもあいさつをしている。(×)
「していません。」
(4) 授業の開始に遅れた子はきちんと待つ。(×)
「待ちません。」
(5) 教室の花は自分で飾る。(○)
(6) 黒板を消すのは教師である。(○)
(7) 空き時間に机の並びや机の上やいすが気になる。(○)
空き時間にそっとなおす。机上や机のまわりから見えてくるものが多い。
(8) ノート類を教師が配ることが多い。(○)
きちんとそろえて配る。子どもたちの話も耳に入ってくる。
(9) 掲示物を貼るのは教師の仕事である。(○)
(10) 給食は残さず食べさせている。(×)
(11) 学級通信で忘れ物の注意などをお願いしている。(×)
忘れて困るもの(赤鉛筆や定規など)は教師が余分に準備しておく。
(12) 1時間目の休み時間に宿題の○付けをしている。(×)
(13) 漢字小テストの○付けは教師がしている。(×)
隣と交換して○つけ。チェックはもちろん教師。
(14) 宿題の○付けは教師がしている。(×)
(15) 算数の練習問題を3問させるとき3問ともに○をつけている。(×)
2問目に○をつける。後は付けない。
(16) 黒板に日付や日番や欠席者や予定を書いている。(×)
(17) 問題をさせて間違っているときには黙って×をつけている。(○)
(18) 計算問題など全て線は定規で引かせている。(○)
(19) 子どもが習ってない漢字は使わない。(×)
どんどん使う。使うから知的な授業・クラスになる。
(20) 時間割の変更が多い方である。(×)
(21) 給食の残りの取り合いは子どもたちでやっている。(×)
ジャンケンさせるとボスは強い。「先生の号令でジャンケン」のルール。
(22) チャイムが鳴ったら問題を読んでいる途中でも授業を止める。(○)
(23) 教室にモネなどの名画(ポスター)が掲示されている。(○)
(24) あいさつは子どもからすべきである。(×)
あいさつや返事や片づけこそ教師が率先して取り組むことである。
(25) けんかがあったときや問題があったとき自習にして事情を個別に聞いている。(×)
全体で取り上げる。しかし短時間に(5分以内)
(26) 1時間の授業でノート1ページくらい使わせてないと後ろめたい。(○)
(27) ノートが終わった児童には買い置きのノートを買わせている。(○)
TOSSノートを常時20冊以上準備。
(28) 作文への返事(コメント)をたくさん書いている。(×)
(29) 保護者からの苦情はいやだ。(×)
苦情は成長への一里塚。何もない便りはよい便り。
(30) 国語辞典はいつも使えるようにしている。(○)
毎時間使わせる。理科室にも持っていく。