地域学習の指導案
 書き方読み方のヒント

  指導者の意図が
 ズバリ示されているか

 兵庫県加古川市立志方小学校
         松本 俊樹
 
 次のような指導案を検討する。

1 単元の展開の概略を示す。
 
 単元名は「人にやさしい未来のまちづくりを考えよう」(20時間 12月〜2月)である。社会科(6年下)の内容「私たちの願いと政治」に関連させて導入している。第1次は、「志方のバリアフリー調査の計画を立てよう(4時間)」は志方のバリアフリーになっている施設・設備を調べる計画を立てる学習。次の三つの活動である。「@バリアフリーデザインのまちについて調べる (2時間)」身のまわりのバリアフリーを知ることになる。また、他のまちのバリアフリーを知ることになる。「A調査場所の分担と確認をする(1時間)」調査対象例は「公民館、銀ビル、郵便局、体育館、パルプラザ」である。「B調査場所と調査内容の計画を立てる (1時間)」インタビューの仕方とマナーの学習も含める。
 第2次は「志方バリアフリー調査をしよう(4時間)」である。「@調査の最終準備(役割分担確認、電話等による許可依頼)」のあと「A調査をする」活動である。準備物が明示されている。「・デジカメ、テープレコーダー、インタビュー、ビデオ、メモなど」

2 準備物を示す。
 
 第3次は「調査結果をまとめよう(6時間)」である。「@収集した情報を分類整理し下書きをする」「A報告書作成」「B発表準備と練習」このときバリアフリーマップ作成の作成も行う。
 第4次は「調査結果を発表しよう(4時間)」である。「@発表会をする」「A発表会をもとにこれからもまちづくりのプランを話し合う」
 第5次は「まちづくりプランを提出しよう(3時間)」である。「@ぼくの・わたしの未来のまちづくりプランをまとめる」「A提出する」     
 参考文献は「『福祉・ボランティア』の視点から街づくり・山口県川棚小・河田孝文氏「ジュニアボランティア教育」44号 p11)である。

3 引用・参考文献を示す。
 
 以下に学習指導案を示す。
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第6学年 総合的な学習学習活動案
1 テーマ  福祉とまちづくり
2 単元名   人にやさしい未来の      まちづくりを考えよう
3 単元の目標
・志方のまちづくりを調べるために、福祉に関する課題を見つけ、施設や人々の願いを調べることができる。
・福祉に関する調べ活動を通して障害者や高齢者の願いや施設で働く人々の願いを考えることが出きる。
・人にやさしい未来のまちづくりに関して自分たちが出きることや願いを表現することが出きる。
4 支援にあたって
【児童観】本学年の児童は、第5学年時に次のような福祉に関する総合的な学習を経験している。「1視覚障害者への理解 2視覚障害体験学習 3視覚障害者との交流学習 4視覚障害者への介助体験 5視覚障害者への支援(盲導犬・点字)」以上の学習を進めていく上で自分で課題や調べ方を決め、課題別グループでの調べ活動を経験している。(中略 松本)児童は身のまわりの「バリアフリー」の存在について、点字表示・スロープ・点字ブロックなどの存在を知っている。しかし、志方小校区においてさまざまな人々が利用する施設・設備でどのような「バリアフリー」がなされているかについては十分に知り得ていない。

4 児童の実態を示す。
 
【教材観】現在、さまざまな自治体や地域でで「まちづくり」の取り組みが行われている。それぞれの地域の特色に応じたまちづくりをめざしている。加古川市では(「加古川市の基本計画から)をめざしたまちづくりのもと、志方小校区では「自然」と「歴史」を生かしたまちづくりが計画されている。さらに、それらの「まちづくり」の観点のひとつに「バリアフリー」がある。地域の特色を生かしつつ人にもやさしいまちづくりが必要とされているのである。地域には近年に新しい総合体育館の建設が予定されていたり、JR加古川駅の高架事業なども進められている。加古川市の「広報誌」に示された「まちづくりプラン募集」に合わせて児童に「まちづくりプラン」を考えさせることも可能である。

5 町づくりとの関連を示す。
 
【指導観】単元の導入には社会科単元の「私たちの願いと政治」を設定する。地域のさまざまな施設は地域の人々の願いや具体的な行動によって実現していることをつかませる。(中略)さらにインターネットを利用して加古川市の都市計画サイトにアクセスしたり、他の自治体の「まちづくり」プランの情報を調べることを通してインターネットを利用した検索・調べ活動も経験させたい。調べた内容を交流したり発表する場面ではできるだけひとり一人の活動を保障し何を学び身につけたか、何が課題に残ったかなど適切な指導評価や自己評価活動を行いたい。
5 活動計画・単元構造(全21時間)
6 本時の目標(第3次 第1,2時分)グループ毎に調べた福祉に関する施設・設備のバリアフリーの調査結果を分かりやすく表現し合い、聞き合う。また、地域の人々の願いやそれぞれの施設・設備の意味をとらえることができる。
7 準備:発表用紙、記録カード、拡大投影機
8 展開【児童活動】
1)本時の目当てを確認する。
2)グループで調べたバリアフリー調査 を発表する。
3)本時の活動を振り返る。【さらにつけ加える調査・感想・学びの記入】
【指導上の留意点】
1)「バリアフリー調査結果を発表しよう」という活動の目当てとともに次のような聞く観点を示す。
 @「他のグループからの学び」
 A「これからの施設に必要なもの」
(以下略 松本)