<卒業式 呼びかけ指導>
 
■私は卒業式呼びかけ指導が好きである。
原点ははやはり向山実践。「子供を動かす法則と応用」
(明治図書)である。
初めて読んだ新卒の時に卒業式呼びかけ指導「個別評定」を知った。
 
■さて、今年度の呼びかけ指導である。
今年度担任は5年生。
5年生は卒業式では代表児童のみが言う。
もちろん全員・男女などで言う場面はある。
したがって何名かを決めて指導するという形になる。
 
■3/5、できあがった呼びかけ用冊子を配布する。
配布後適度な間ができる。
この間教師は何も言わない。
子どもたちはそれぞれにページをめくって中身を見ている。
やがて「名前を書きなさい」の指示。
これを抜かすとあとで名無しの冊子の落とし物にイライラすることになる。
「隣と確認」「隣がまだの所は立ちなさい」まで確認。
名前を書くと不思議に落とし物はなくなる。
 
■冊子の説明をする。1ページ目である。
 「(在)のところが4,5年生の言葉です。
  5の1が当たっているところを言いますから○をつけなさい。」
 全員に○をつけさせる。
この場合立候補するしない関係ない。
全員に当事者意識を持たせるためである。
 5の1の割り当て場所を(在5)などと板書していく。
あとで立候補者名を書くために余白を空けて板書。
 
■呼びかけについての注意をする。
原実践は向山実践である。
 「呼びかけは代表の人が言うのではありません。
全員で言うところもあります。
  一人一人が代表のように呼びかけができなければなりません。」
 「次の3つがポイントです。メモをしなさい。」
 大事なことだからメモをさせた。
呼びかけ冊子の表紙にメモをさせるのである。
 
■次の3つのポイントをメモさせた。

1 大きな声
2 間を空ける(3秒)
3 きりりと歯切れ良く
 
 声の大きさについては次のように話した。
「体育館は広いです。
保護者の方もたくさん来られます。
声という物は服やカーテン
  などに吸い込まれてしまうものです。
大きな声を出しているつもりでも全然聞こえな
 いと言うことがあります。
いっぱい息を吸って今までの3倍大きな声で言います。」
 間を空けるについては次の通り。
「体育館で声を出したら響きますね。
端から端まで声が届くまでに時間がかかります。
 その上響きますから前の人が言ってすぐに次の人が言うと
声と声が重なって何を言っ
 ているか分からなくなるのです。」
 これは実際にやって見せた。
重なる例とうまく間を空けた例である。
「ひとつひとつの音が響きますからひとつひとつの
音をはっきりと言わなければ何を言 
っているか分からなくなります。
口の形をちゃんと空けて歯切れよく言いなさい。」
 これも口の形を意識させてやって見せた。
 
■次に決め方について話をする。
「立候補してもらって決めます。
決め方はテストです。
先生が決めます。
みんなの前で呼びかけを言ってもらいます。
同点の場合だけジャンケンです。
当日休む場合もあ りますから控えの人まで決めます。」
 如何なる場合でも決め方は明確に決めておかねばならない。
更に、控えまで決めておく。
練習中の休みなど対応は万全にしておきたい。
 
■立候補を募っていく。
教師が呼びかけの言葉を実際に言って見せて瞬間に立候補を募る。
暗唱テストの立候補と同じ方式である。
 「(在1)6年生のお兄さん、お姉さん はいそこまで。」
 さすがに準備できてなかったのか最初は1名だけ。
それでいいのである。
次の場所から身構えが変わってきた。
多数手が上がる。
 瞬時に
 「はいストップ。立ちなさい。
あとからはダメです。
名前を書いたらすわりなさい。」
 6年生担任で全員に呼びかけを割り振るときには名前カードを用いた。
今回は代表だけを決めるので名前を板書するという方法である。
 
■立候補を募りながら最後まで進める。
立候補の人数はバラバラである。
1人、4人、5人、6人という感じである。
ここで変更を募る。
 「他に変わりたいという人はありませんか?」
辞退1名、変更1名。立候補1名の所へ変更である。
 ここでちょうど休み時間になった。
この間約15分間。
 「休み時間の間練習をしておきなさい。」
と指示ができる。
 
■休み時間後すぐにはじめる。
何と(在1)に立候補していた1名が未着。
強者である。
しかし、待たない。
テスト開始である。
 該当立候補者を立たせる。
前の言葉を教師が言って見せてテスト箇所の呼びかけを言わせる。
「声の大きさ・間・歯切れよさ」をチェックして点数をつける。
 
■割り当て箇所の(在1)から(在13)まで次々にテストしていく。
ひととおり通すから緊張感も生まれる。
ちょうど全員で言うところがあったのでこれも言わせる。
ひととおり終えてから結果発表。
(遅れてきた子はひととおり終えてから追試験)
 「結果発表です。(在1)2人とも同点です。
あとで決めます。
  (在5)○○君です。控えは○○さん。
  (在9)○○さんです。控え3人は同点。
  (在13)3人とも同点です。」
 
■同点の所はジャンケンで決めた。
号令は教師の声。
 決定後ひととおり通し練習。
全員で言うところも練習。