<「名村嘉洋です。松本先生の発言の記録です。」>
 
 小宅小  校内授業研究   講師  松本俊樹氏             
                    H15.6.11
<討議会でのQA>
Q 練習問題で全員がそろうのを待つべきか?
A 複数指導の場合、教師が書いた黒板を見て写させる、T2が答えを赤鉛筆でなぞっ
 て写させる。待っていると大勢が見ているから緊張して逆に書かない場合がある。
 
Q 低学年のノート指導が難しいがどういう手だてがあるか?
A 1年生に写す事は難しい。
  小黒板でノートの幅を例示をしているは良かった。
 「1cm、1個書けたら、2個目、3個目を丁寧に書きなさい。
  1個目より2個目の方が上手にならないとダメだよ。3個目はもっ
  と丁寧に書きましょう。」と指導する。
  そこでまだの子の所へ行き指導する。赤鉛筆で薄くなぞってやる。
 
Q かけ算の指導について教科書では2,5とか簡単な数からはいっているが、6,7,
 8の段から入ってはいけないのか。6,7,8,の段は覚えにくい所で点検してもク
 リアできない段である。きっちり覚えておかないと3年生の余りあるわり算になると
 困る子が出てくると思われます。
A 1年生から2とび、5とびをやっているので教科書は5の段から入っている (筑
  波大付属小 坪田耕三先生)
 ・練習量の確保という点で7の段からの指導もある。(石田一三先生)
 ・上り九九→下り九九→ランダムなど練習バリエーションを作る。
 ・百マス計算は九九は中の上位しか伸びない。できない子はつらい。九九表を持たせ
 てさせる方が良い。足し算、引き算はできない子にさらにつらい。
 ・余りあるわり算はフラッシュカードでやるとよい。
 
Q 異分母分数の加法及び減法で約分はできるが通分もするのに手間取る。最小公倍数
 の見つけ方を知ってもなかなかうまくいかないし、うまくいっても時間がかかる。
A ここが一番の山場です。@倍数を見つける。A公倍数を見つけるB最小公倍数を見
 つける。C式を変形する。「分母6の倍数6,2の倍数2,4、6、最小公倍数が出
 てきた、1こと3こ書いているから、いくつかけるかわかります。6かける1分の5
 かける1、分母と分子に同じ数をかけます。」のようにやっている。教科書や計算ス
 キルにある基本形を指導する。次の時間に基本形を省略して書かせると、やっと倍数
 が言える子にとってはステップが大きい。授業では次の時間もきちんと基本形を指導
 していく。
 
<分析の視点ごとの講師のコメント>
@指示
 <問題の読み方> 
 「3番を押さえなさい。」教師が問題を読む。児童の耳からも情報が入る。
そこで、「読みます、さんはい」児童が読む。「上手に読めたね。もう一回読もう。」
読んだらほめられるから、もっと読もうという気になる。「男の子の声が聞こえた人、
女の子の声が聞こえた人、隣の人の声が聞こえた人」と聞く。
 
 <ノートチェック>
 黒板の右、児童も右へ抜けるようにして一方通行させる。
3問目ができたら持ってこさせる。
同室複数なら2人で分けて見る場面とT2は遅れている子の所へ行き、
個別指導する場面があってよい。
 
 <cmの指導>
  =変化ある繰り返し=@教科書の上でなぞる
            A先生と空書き
            Bみんなだけで
            C男の子だけ
            D女の子
            E後ろの人へ
            F机の上
            G教科書の上でなぞる
            H教科書の灰色をなぞる
            I教科書を鉛筆でなぞる
            J教科書の灰色をなぞる
 
D教材・教具 
 <机の上>
 必要なものしか置かせない。今、入らないものは机の中に片づけさせる。
 
 <筆箱>
 中身や外見にこだわっている子は気になる。
 
 <赤鉛筆>
 色を塗る。消せる。忘れた人には貸し出す。
 マーカー、ボールペンを許すと授業の乱れになる。
 
 <百玉そろばん>  =低学年におすすめ= 
 授業の導入に活用できる。
 かけ算、2とび、倍数など
 
 <赤ねこ計算スキルのやり方> 
 21ページを開きなさい。
 日付を書きなさい。
 コースは3つあります。
 2問コース、ゆっくり正確にやりたい人は2問コース。マラソンだって駆け足だって
水泳だってゆっくりの人や速い人もいる。それは自分に合わせればいいんです。
今日習ったばかりだからゆっくり確実にやりたい人は2問コース、
少し早めにやりたい人5問コース、ぐっと速くやりたい人は10問
 コース、チェックを入れさせる。時間は3分です。よーいスタート、
あとは子どもに任せていればよい。
(文章題、やや難しい問題は教師が読んであげても良い)
 1分経過・・・残り30秒です。ころあいを見計らって答合わせ。
 ぎりぎり間に合わない子がないよう、ストップウオッチだけで終わりにしない。
 3問くらいしかできない子がいる。たった3分だから2問、5問でいいんだ、
10問は 無理だ、ていねいに確実にできる所をさせる。答合わせは10番から
5番まで はテンポ良くする。この辺りはできる子だからマルつけできる。
 「5問コース お待たせしました。」5番からはゆっくりていねいに答をいう。
 「2問コースお待たせしました。」ヒントまで読む。
 「点数をつけなさい。」
 「10問コース、1つ間違えば90点、2問コース2つ合えば100点です。」
 これは評定評価です。
 「まだ、時間があるから残っている問題をしましょう。間違った問題は答を参考にし
 ながら自分でやりなさい。」
(計算スキルの答えには途中の式があるので一人でできる、計算ドリルの答えだけでは
 できない子はできない)
 「はやく終わった人はやってみよう問題をしましょう。」
 「できた人は自分で答合わせをしなさい。」
(この間教師は遅い子へ指導をする。)
 「ていねいにシールをとって赤ねこシールをはりなさい。」
 「途中の人も自分でマルつけをしなさい。」
 シールは取りにくくされている。時間かせぎ。
 
Fノート
 <ノート指導> =4月 最初の出会いから=
 ノートを配って名前を書かせて「4/9(木) P.2 ふきのとう」このように書くのですよ。
10分くらいかかる。4月当初から小刻みにやっておく。
 それでもできない子もいる。今日板書す定の教師が作ったノートを下敷きにして
写させる。次の段階は答えの欄は消しておく。
 これができれば基礎基本の飛躍になる。(昨年5年生の体験から)
 
G評価
 <授業の中の評価と評定>
 ・評価「みんなそろっているね。ちゃんとかけたね。発言への先生の声かけ。男の子
 だけ、女の子だけ言ってみましょう。」
 
 ・評定
 教師が答をいって子どものマルつけ。T1「5センチメートル」みんなで言ってみま
 しょう。「5センチメートル」 答を復唱させる。
 
 <評価用紙> 
 ものさしみたいなもの、書くのは難しいが、観点を抽出して討議の材料にできる。
そうしないと話し合いの焦点化ができない、内容は改善していけばよい。
 
 以上、順序は評価用紙のようにまとめさせて頂きました。
 松本先生ありがとうございました。